64(ロクヨン)
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64(ロクヨン)
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投稿日時 2013/10/23 16:11 | 最終変更
nande3
投稿数: 128
ISBN:978-4-16-381840-5
著者:横山 秀夫(よこやま ひでお)
発行:2012年10月25日 第1刷
<誤植というより校正ミス? 意図?>
◎17ページ 3行目◎
誤「しかし元を正せば…」
正「しかし本をただせば…」
「物事の原因や起こりを調べ、はっきりさせること」の意味で、
【本を正す】。「末の対語、本来」ということで[本(もと)]を
使います。
『大辞泉』など多くの辞典でこう書き、【元を正す】は読み誤り
であると指摘しています。
もっといえば、[正す]は、「誤りをただす」の意味で、「襟を
正す」「姿勢を正す」などと使います。
「本を正す」と書くと、「根本を正しくする」ということになり
ます。
「物事の原因や起りを調べ、はっきりさせること」の意味であれ
ば、「問い調べる」という使い方ですので、[糺(ただ)す]にな
り、常用外漢字ということで「ただす」と仮名書きがよろしい
ようで。
◎227ページ 15行目◎
誤「来週、長官の視察が入るのはご存知ですよね」
正「来週、長官の視察が入るのはご存じですよね」
236ページなどでは「ご存じ」と使っていますで、校正ミスで
しょうか。
[ごぞんじ]をワープロソフトで変換すると[ご存知]が最初に
示されるからでしょうか、「ご存知の…」「ご存知ですか」
などの表現を多く目にします。
[存知](ぞんち=知っていること、承知していること)ではなく
[存じ](ぞんじ=知っていること、承知)の尊敬語で、[ご]を
付けています。
「知っている」「覚える」「考える」「思う」の謙譲語で[存ず
る]。
◎255ページ 3行目◎
誤「成り行きのいかんに拘わらず…」
正「成り行きのいかんに拘らず…」
間違いかどうか微妙です。
[わ]を送らず[拘らず]とする辞書が多いと思います。
根本の問題に「かかわる」という言葉の表記があります。
[関わる][係わる][拘(わ)る]の三つがありますが、常用外
の漢字ですので、公用では「かかわる」と平仮名表記を用いる
というのが一般的な解釈になるでしょう。
[関わる]にするか[係わる]にするか[かかわる]にするかは、書き
手の好みになりますが、[拘る]は性格が異なります。
「小事に拘る」のように、そのことに捉えられてしまうこと、
また、「雨にも拘らず出発した」「努力にも拘らず失敗した」の
ように、「拘らず」の形で、前提に関係なく、という場合にもこ
の字を使います、との説明がありました。
動詞「かかわる」の未然形+打消しの助動詞「ず」の連用形は、
助詞「に」「にも」の下に付いて[…にも拘らず]のみではないか
と。
[拘(かかわ)る]と[拘(こだわ)る]は、漢字にすると同じです
し、悩みますね。
100ページに「己の意思とは係わりなく…」、223ページには
「…とかましたにもかかわらず揺らがない」、226ページには
「…警務とは一切関わるなと…」などの文章があります。
作者の意図的な表現なのでしょうか? はたまた校正の問題なの
でしょうか?
598ページには「美那子が拘(こだわ)ったから」という表記も
あります。
◎255ページ 15行目◎
誤「…現場判断に軍配を挙げたのだ。」
正「…現場判断に軍配を上げたのだ。」
『大辞泉』など多くの辞典で[軍配]の用例として「軍配を上げ
る=相撲で、行司が勝ち力士のほうに軍配うちわを上げる。転じ
て、勝ちを判定する。判定を下す。」―とあります。
新聞社の用字用語集でも、「下がる・下げるの対語、物事が終わ
る」の意味で、例として「軍配を上げる」を挙げています。
◎298ページ 15行目◎
誤「裡なる刑事は消去できない」
正 ?
[裡]は、[うら][うち][り]と読むそうです。
Yahoo!辞書(大辞林)によると、「裡」を「うち」と読ませて
「好評の裡に終わる」「平和の裡に終わる」という語法もあるよ
うだ、との説明を見つけました。
「成功裡・裏(せいこうり)に終わる」「心の裡(うち)」「心
裡(しんり)」という使い方もあります。
読んだとき、「うら?」「うち?」どちらか判断できませんでし
た。文脈からも?
「裡(うち)なる刑事は消去できない」と読むのが正しいので
しょうか。
この小説には難読漢字、難しい言葉がたくさん出てきます。
これもその一つ。ルビをつけたほうがいいかも。
◎380ページ 16行目◎
誤「ナンバー1、2の本部長と警務部長を…」
正 ?
新聞社の用字用語集では、洋数字の使い方例として「ナンバー
ワン」は片仮名書き、2以下は洋数字「ナンバー2、3…」と示し
ています。
これに沿うなら「ナンバーワンの本部長とナンバー2の警務部長
を…」になるのでしょうが、まとめて書くなら「ナンバー1、2」
でしょうね。
◎403ページ 20行目◎
誤「神妙な顔で頷首を重ね…」
正 ?
[頷(うなず)く]と[首]で「がんしゅ」と読むそうです。
[うなずく]=頷く・首肯く・肯く、[しゅこう]=首肯に近い言葉
なのですが、国語辞典には項目がないようです。
難しいですね。勉強になりますが、ルビが必要かな?
著者:横山 秀夫(よこやま ひでお)
発行:2012年10月25日 第1刷
<誤植というより校正ミス? 意図?>
◎17ページ 3行目◎
誤「しかし元を正せば…」
正「しかし本をただせば…」
「物事の原因や起こりを調べ、はっきりさせること」の意味で、
【本を正す】。「末の対語、本来」ということで[本(もと)]を
使います。
『大辞泉』など多くの辞典でこう書き、【元を正す】は読み誤り
であると指摘しています。
もっといえば、[正す]は、「誤りをただす」の意味で、「襟を
正す」「姿勢を正す」などと使います。
「本を正す」と書くと、「根本を正しくする」ということになり
ます。
「物事の原因や起りを調べ、はっきりさせること」の意味であれ
ば、「問い調べる」という使い方ですので、[糺(ただ)す]にな
り、常用外漢字ということで「ただす」と仮名書きがよろしい
ようで。
◎227ページ 15行目◎
誤「来週、長官の視察が入るのはご存知ですよね」
正「来週、長官の視察が入るのはご存じですよね」
236ページなどでは「ご存じ」と使っていますで、校正ミスで
しょうか。
[ごぞんじ]をワープロソフトで変換すると[ご存知]が最初に
示されるからでしょうか、「ご存知の…」「ご存知ですか」
などの表現を多く目にします。
[存知](ぞんち=知っていること、承知していること)ではなく
[存じ](ぞんじ=知っていること、承知)の尊敬語で、[ご]を
付けています。
「知っている」「覚える」「考える」「思う」の謙譲語で[存ず
る]。
◎255ページ 3行目◎
誤「成り行きのいかんに拘わらず…」
正「成り行きのいかんに拘らず…」
間違いかどうか微妙です。
[わ]を送らず[拘らず]とする辞書が多いと思います。
根本の問題に「かかわる」という言葉の表記があります。
[関わる][係わる][拘(わ)る]の三つがありますが、常用外
の漢字ですので、公用では「かかわる」と平仮名表記を用いる
というのが一般的な解釈になるでしょう。
[関わる]にするか[係わる]にするか[かかわる]にするかは、書き
手の好みになりますが、[拘る]は性格が異なります。
「小事に拘る」のように、そのことに捉えられてしまうこと、
また、「雨にも拘らず出発した」「努力にも拘らず失敗した」の
ように、「拘らず」の形で、前提に関係なく、という場合にもこ
の字を使います、との説明がありました。
動詞「かかわる」の未然形+打消しの助動詞「ず」の連用形は、
助詞「に」「にも」の下に付いて[…にも拘らず]のみではないか
と。
[拘(かかわ)る]と[拘(こだわ)る]は、漢字にすると同じです
し、悩みますね。
100ページに「己の意思とは係わりなく…」、223ページには
「…とかましたにもかかわらず揺らがない」、226ページには
「…警務とは一切関わるなと…」などの文章があります。
作者の意図的な表現なのでしょうか? はたまた校正の問題なの
でしょうか?
598ページには「美那子が拘(こだわ)ったから」という表記も
あります。
◎255ページ 15行目◎
誤「…現場判断に軍配を挙げたのだ。」
正「…現場判断に軍配を上げたのだ。」
『大辞泉』など多くの辞典で[軍配]の用例として「軍配を上げ
る=相撲で、行司が勝ち力士のほうに軍配うちわを上げる。転じ
て、勝ちを判定する。判定を下す。」―とあります。
新聞社の用字用語集でも、「下がる・下げるの対語、物事が終わ
る」の意味で、例として「軍配を上げる」を挙げています。
◎298ページ 15行目◎
誤「裡なる刑事は消去できない」
正 ?
[裡]は、[うら][うち][り]と読むそうです。
Yahoo!辞書(大辞林)によると、「裡」を「うち」と読ませて
「好評の裡に終わる」「平和の裡に終わる」という語法もあるよ
うだ、との説明を見つけました。
「成功裡・裏(せいこうり)に終わる」「心の裡(うち)」「心
裡(しんり)」という使い方もあります。
読んだとき、「うら?」「うち?」どちらか判断できませんでし
た。文脈からも?
「裡(うち)なる刑事は消去できない」と読むのが正しいので
しょうか。
この小説には難読漢字、難しい言葉がたくさん出てきます。
これもその一つ。ルビをつけたほうがいいかも。
◎380ページ 16行目◎
誤「ナンバー1、2の本部長と警務部長を…」
正 ?
新聞社の用字用語集では、洋数字の使い方例として「ナンバー
ワン」は片仮名書き、2以下は洋数字「ナンバー2、3…」と示し
ています。
これに沿うなら「ナンバーワンの本部長とナンバー2の警務部長
を…」になるのでしょうが、まとめて書くなら「ナンバー1、2」
でしょうね。
◎403ページ 20行目◎
誤「神妙な顔で頷首を重ね…」
正 ?
[頷(うなず)く]と[首]で「がんしゅ」と読むそうです。
[うなずく]=頷く・首肯く・肯く、[しゅこう]=首肯に近い言葉
なのですが、国語辞典には項目がないようです。
難しいですね。勉強になりますが、ルビが必要かな?
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