震える牛
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震える牛
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投稿日時 2014/1/3 16:50 | 最終変更
nande3
投稿数: 128
ISBN:978-4-09-408821-2
著者:相場 英雄(あいば ひでお)
発行:2013年5月13日 初版第1刷発行(小学館文庫)
2012年2月に小学館が単行本として刊行、加筆改稿して2013年5月に
文庫化。
<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>
◎19ページ 8行目◎
誤「…今後も事業拡大をはかってまいります」
正「…今後も事業拡大を図ってまいります」
間違いではないのですが、漢字書きがよろしいようで。
後のページで[はかる]の使い間違いがあります。
◎25ページ 9行目◎
誤「滝沢らが執った戦略は…」
正「滝沢らが採った戦略は…」
「扱う」という意で「指揮を執る」の[執る]ではなく、「採用」
の意で「その説を採る」の[採る]か、一般用語の[取る]または平
仮名書きで「とる」。
◎48ページ 1行目◎
誤「…私の手の甲をいきなり斬りつけたあと、左手で…」
正「…私の手の甲をいきなり斬りつけた後、左手で…」
間違いではありません。が、15ページでは「…店員の左手を斬り
つけた後、犯人は…」と漢字書きです。統一して。
◎50ページ 3行目◎
誤「どこからか後を尾(ルビ=つ)けてきたのかもしれません」
正「どこからか跡を尾(ルビ=つ)けてきたのかもしれません」
「うしろ」をワープロソフトで変換すると「後」と出ますが、
辞典で調べると「うしろ」は「後ろ」。
[後]の訓読みは「あと」「うし(ろ)」「おく(れる)」「しり」「のち」。
「あと」と読むとすると、漢字なら[跡]がふさわしいと思いま
す。
「先・前の対語」の[後]ではなく、「そっと人のあとについてい
く。尾行する」という意味合いで「痕跡」の[跡]を使ったほうが
よろしいかと。
◎52ページ 11行目ほか◎
誤「…素っ頓狂な声をあげた。」
正「…素っ頓狂な声を上げた。」
意味を考え、「あげる」にどの漢字を使うかです。
54ページに「売り上げをあげる仕組み」(「アップする」という
意味では「上げる」)、66ページに「零時半には引き揚げまし
た」「俺と一緒にあがってますね」(引き揚げるという意味では
「揚がる」、仕事が終わるという意味では「上がる」)などが出
てきます。
96ページや234ページでは「仏壇に向かい…線香をあげた」「ご
実家にお線香をあげに参りました」と平仮名表記ですが、229
ページでは「最初にお線香を上げさせてください」と正しく漢字
を使っています。
個々に見ていくと間違いではありませんが、俯瞰すると、「校正
の問題」であることが見えてきます。表記統一は必要でしょう。
◎92ページ 9行目ほか◎
誤「首都圏の大動脈である国道一六号線…」
正「首都圏の大動脈である国道一六号…」
一般的に「○○号線」と称していますが、道路名は路線番号のみ
が正式。
同じページに「一六号沿線と太田で差があるのは…」という文章
が出てきます。「“一六号線”沿線」ではありません。
◎107ページ 8行目ほか◎
誤「この若頭補佐をご存知ですか」
正「この若頭補佐をご存じですか」
◎124ページ 1行目◎
誤「コシヒカリの稲藁(ルビ=いねわら)を食べて育った牛です」
正「コシヒカリの稲藁(ルビ=いなわら)を食べて育った牛です」
難しいですね。これも間違いではないのですが…。
まず、[稲藁]という言葉が出てくる辞書を探すのが難しい。
『広辞苑』には掲載されていないようです。
「読み方」をネットで検索すると、「いねわら」「いなわら」
ともにあり、辞典では併記しているようです。
どちらが正しいか。「ニュースなど放送で“いなわら”と言って
いる」ので「いなわら」が正しい、とする意見が多いようです。
◎170ページ 12行目◎
誤「…億単位の年棒を勝ち取っていた。」
正「…億単位の年棒を勝ち得ていた。」
微妙な表現です。
賞金・商品なら、「争いに勝って自分のものにする」意味で「勝
ち取る」がピッタリきますが、年棒(給与)ですから。
辞書によっては、「戦って自分のものにする。努力して獲得す
る」の意味を挙げていますが、その例は「勝利の栄冠を―る」
「自由を―る」。
「努力して自分のものとする」の意味で、「勝ち得る」がふさわ
しいのか…難しいです。
プロ野球選手の話ですので、球団との契約更改交渉で「年棒を勝
ち取った」と取るのでしょうか。
◎174ページ 11行目◎
誤「…たまたま黒田先生のお名前が上がったので…」
正「…たまたま黒田先生のお名前が挙がったので…」
「有名になる」という意味の「名を上げる」ではなく、「はっき
り分かるように示す、列挙など」の意ですので、「名を挙げる」
に。
◎242ページ 15行目◎
誤「…雑居ビルの三階角部屋にある…の呼び鈴を押した。」
正「…雑居ビルの三階角部屋にある…のブザーを押した。」
状況がよく分からないので判断しにくいと思います。
光景がまざまざと目に浮かぶ、というわけにはいきません。
「呼び鈴」は「人を呼ぶために鳴らすベル」と辞書にあり、
ホテルや会社の無人受付カウンターなどにある「振鈴(しんれ
い)」や「卓上ベル」の印象が強いです。
一軒家なら「ドアチャイム」「ドアベル」になるのでしょうか。
また、ドアを前にするなら「ノッカー」やブザーが鳴って合図す
るドアの外側についた「押しボタン呼鈴」「インターホン」か。
雑居ビルの一階階段横に設置されている「呼び出し用のブザー」
か、三階の角部屋のドアの横にある「ドアチャイム」か、ドアを
開け目の前にある受付カウンターに置いてある「卓上ベル」か…
断定できませんね。
◎256ページ 9行目◎
誤「次の餌箱の前で増渕が一輪車を止めた。」
正「次の餌箱の前で増渕が手押し車(ネコ車)を止めた。」
「一輪車」は、一般的には「車輪が一つの乗用遊具」「スポーツ
や曲技に使われる、車輪を一つしか持たない自転車」を指すもの
と思われます。
「手押し車」は手押し式の運搬台車。山道や畑や工事現場などで
農作物や資材を運ぶのに利用されるもの。手車(てぐるま)と
も。
ウィキペディアでは「一輪車」を―
車輪が一つのものは孤輪車(こりんしゃ)という。また、単に
一輪車(いちりんしゃ)ともいうが、乗車遊具の一輪車と区別
するため工事用(こうじよう)あるいは農作業用(のうさぎょ
う)一輪車と呼ぶこともある。
さらに、猫車(ねこぐるま)、猫(ねこ)とも呼ばれる。理由と
しては、猫のように狭いところに入ることが出来ることから来て
いるという説もあれば、また猫のようにゴロゴロと音を立てるこ
とを起因するとする説、裏返した姿が猫の丸まっている姿に似て
いるからとする説もある。
―と説明しています。
左右に車輪を二つ並べているのに「一輪車」と称する農業・工事
用具も存在します。
「農作業用の一輪車」が適切かとは思いますが、長いので「手押
し車」か「ネコ車」がいいのでは。
◎315ページ 6行目◎
誤「相手との間合いを図りつつ…」
正「相手との間合いを見計らいつつ…」
[間合い]の用例としては、「―をとる」「―を見計らう」。
「はかる」を使うなら、「計算・計画」の意で「時間・タイミン
グを計る」と同じように「計る」とするのがいいのでしょうか。
「間合い」を「相手との距離」とストレートにとると、「測る」
でもいいと思いますが、紛らわしいなら平仮名書き「はかりつ
つ」になるのでしょうね。
「意図、企図」の意の[図る]にはなりませんので、これは間違
い。
423ページに「捜査の進捗度合いをはかりながら…」という文章
があります。漢字を使うなら「度合いを測りながら…」に。
著者:相場 英雄(あいば ひでお)
発行:2013年5月13日 初版第1刷発行(小学館文庫)
2012年2月に小学館が単行本として刊行、加筆改稿して2013年5月に
文庫化。
<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>
◎19ページ 8行目◎
誤「…今後も事業拡大をはかってまいります」
正「…今後も事業拡大を図ってまいります」
間違いではないのですが、漢字書きがよろしいようで。
後のページで[はかる]の使い間違いがあります。
◎25ページ 9行目◎
誤「滝沢らが執った戦略は…」
正「滝沢らが採った戦略は…」
「扱う」という意で「指揮を執る」の[執る]ではなく、「採用」
の意で「その説を採る」の[採る]か、一般用語の[取る]または平
仮名書きで「とる」。
◎48ページ 1行目◎
誤「…私の手の甲をいきなり斬りつけたあと、左手で…」
正「…私の手の甲をいきなり斬りつけた後、左手で…」
間違いではありません。が、15ページでは「…店員の左手を斬り
つけた後、犯人は…」と漢字書きです。統一して。
◎50ページ 3行目◎
誤「どこからか後を尾(ルビ=つ)けてきたのかもしれません」
正「どこからか跡を尾(ルビ=つ)けてきたのかもしれません」
「うしろ」をワープロソフトで変換すると「後」と出ますが、
辞典で調べると「うしろ」は「後ろ」。
[後]の訓読みは「あと」「うし(ろ)」「おく(れる)」「しり」「のち」。
「あと」と読むとすると、漢字なら[跡]がふさわしいと思いま
す。
「先・前の対語」の[後]ではなく、「そっと人のあとについてい
く。尾行する」という意味合いで「痕跡」の[跡]を使ったほうが
よろしいかと。
◎52ページ 11行目ほか◎
誤「…素っ頓狂な声をあげた。」
正「…素っ頓狂な声を上げた。」
意味を考え、「あげる」にどの漢字を使うかです。
54ページに「売り上げをあげる仕組み」(「アップする」という
意味では「上げる」)、66ページに「零時半には引き揚げまし
た」「俺と一緒にあがってますね」(引き揚げるという意味では
「揚がる」、仕事が終わるという意味では「上がる」)などが出
てきます。
96ページや234ページでは「仏壇に向かい…線香をあげた」「ご
実家にお線香をあげに参りました」と平仮名表記ですが、229
ページでは「最初にお線香を上げさせてください」と正しく漢字
を使っています。
個々に見ていくと間違いではありませんが、俯瞰すると、「校正
の問題」であることが見えてきます。表記統一は必要でしょう。
◎92ページ 9行目ほか◎
誤「首都圏の大動脈である国道一六号線…」
正「首都圏の大動脈である国道一六号…」
一般的に「○○号線」と称していますが、道路名は路線番号のみ
が正式。
同じページに「一六号沿線と太田で差があるのは…」という文章
が出てきます。「“一六号線”沿線」ではありません。
◎107ページ 8行目ほか◎
誤「この若頭補佐をご存知ですか」
正「この若頭補佐をご存じですか」
◎124ページ 1行目◎
誤「コシヒカリの稲藁(ルビ=いねわら)を食べて育った牛です」
正「コシヒカリの稲藁(ルビ=いなわら)を食べて育った牛です」
難しいですね。これも間違いではないのですが…。
まず、[稲藁]という言葉が出てくる辞書を探すのが難しい。
『広辞苑』には掲載されていないようです。
「読み方」をネットで検索すると、「いねわら」「いなわら」
ともにあり、辞典では併記しているようです。
どちらが正しいか。「ニュースなど放送で“いなわら”と言って
いる」ので「いなわら」が正しい、とする意見が多いようです。
◎170ページ 12行目◎
誤「…億単位の年棒を勝ち取っていた。」
正「…億単位の年棒を勝ち得ていた。」
微妙な表現です。
賞金・商品なら、「争いに勝って自分のものにする」意味で「勝
ち取る」がピッタリきますが、年棒(給与)ですから。
辞書によっては、「戦って自分のものにする。努力して獲得す
る」の意味を挙げていますが、その例は「勝利の栄冠を―る」
「自由を―る」。
「努力して自分のものとする」の意味で、「勝ち得る」がふさわ
しいのか…難しいです。
プロ野球選手の話ですので、球団との契約更改交渉で「年棒を勝
ち取った」と取るのでしょうか。
◎174ページ 11行目◎
誤「…たまたま黒田先生のお名前が上がったので…」
正「…たまたま黒田先生のお名前が挙がったので…」
「有名になる」という意味の「名を上げる」ではなく、「はっき
り分かるように示す、列挙など」の意ですので、「名を挙げる」
に。
◎242ページ 15行目◎
誤「…雑居ビルの三階角部屋にある…の呼び鈴を押した。」
正「…雑居ビルの三階角部屋にある…のブザーを押した。」
状況がよく分からないので判断しにくいと思います。
光景がまざまざと目に浮かぶ、というわけにはいきません。
「呼び鈴」は「人を呼ぶために鳴らすベル」と辞書にあり、
ホテルや会社の無人受付カウンターなどにある「振鈴(しんれ
い)」や「卓上ベル」の印象が強いです。
一軒家なら「ドアチャイム」「ドアベル」になるのでしょうか。
また、ドアを前にするなら「ノッカー」やブザーが鳴って合図す
るドアの外側についた「押しボタン呼鈴」「インターホン」か。
雑居ビルの一階階段横に設置されている「呼び出し用のブザー」
か、三階の角部屋のドアの横にある「ドアチャイム」か、ドアを
開け目の前にある受付カウンターに置いてある「卓上ベル」か…
断定できませんね。
◎256ページ 9行目◎
誤「次の餌箱の前で増渕が一輪車を止めた。」
正「次の餌箱の前で増渕が手押し車(ネコ車)を止めた。」
「一輪車」は、一般的には「車輪が一つの乗用遊具」「スポーツ
や曲技に使われる、車輪を一つしか持たない自転車」を指すもの
と思われます。
「手押し車」は手押し式の運搬台車。山道や畑や工事現場などで
農作物や資材を運ぶのに利用されるもの。手車(てぐるま)と
も。
ウィキペディアでは「一輪車」を―
車輪が一つのものは孤輪車(こりんしゃ)という。また、単に
一輪車(いちりんしゃ)ともいうが、乗車遊具の一輪車と区別
するため工事用(こうじよう)あるいは農作業用(のうさぎょ
う)一輪車と呼ぶこともある。
さらに、猫車(ねこぐるま)、猫(ねこ)とも呼ばれる。理由と
しては、猫のように狭いところに入ることが出来ることから来て
いるという説もあれば、また猫のようにゴロゴロと音を立てるこ
とを起因するとする説、裏返した姿が猫の丸まっている姿に似て
いるからとする説もある。
―と説明しています。
左右に車輪を二つ並べているのに「一輪車」と称する農業・工事
用具も存在します。
「農作業用の一輪車」が適切かとは思いますが、長いので「手押
し車」か「ネコ車」がいいのでは。
◎315ページ 6行目◎
誤「相手との間合いを図りつつ…」
正「相手との間合いを見計らいつつ…」
[間合い]の用例としては、「―をとる」「―を見計らう」。
「はかる」を使うなら、「計算・計画」の意で「時間・タイミン
グを計る」と同じように「計る」とするのがいいのでしょうか。
「間合い」を「相手との距離」とストレートにとると、「測る」
でもいいと思いますが、紛らわしいなら平仮名書き「はかりつ
つ」になるのでしょうね。
「意図、企図」の意の[図る]にはなりませんので、これは間違
い。
423ページに「捜査の進捗度合いをはかりながら…」という文章
があります。漢字を使うなら「度合いを測りながら…」に。
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