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下町ロケット

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/8/27 16:54 | 最終変更
nande3  一人前   投稿数: 128
ISBN:978-4-09-386292-9
著者:池井戸 潤(いけいど じゅん)
発行:2011年7月30日 第三刷

第145回(2011年上半期)直木三十五賞受賞作品。

2011年のWOWOW連続ドラマに続き2015年10月にはTBSテレビの
日曜劇場でテレビドラマ化される予定と聞き、図書館から借りて
きました。


<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>

◎22ページ 15行目ほか◎
誤「自席に引き上げていく殿村の背中をドア越しに見送りながら…」
正「自席に引き揚げていく殿村の背中をドア越しに見送りながら…」

 [引き上げる]は同じ22ページの「技術レベルを引き上げる」の
 ように、「引っ張り上げる」という意味。「元の所に戻す・戻る」
 という意味では[引き揚げる](新聞用字用語集説明から)。

◎33ページ 7行目ほか◎
誤「社長もご存知だと思いますが…」
正「社長もご存じだと思いますが…」

 名詞・他動詞の[存知(ぞんち)]は「知っていること、承知している
 こと」。
 [存じ]=「知っていること。承知」の尊敬語が「御(ご)存じ」。

 334ページに「ご判断をいただければと存じます」という文章があり
 ます。こちらは「考える、思う」の謙譲語の[存ずる](自サ変)。

◎197ページ 10行目◎
誤「…ご希望に添えるという保証はできません」
正「…ご希望に沿えるという保証はできません」

◎238ページ 8行目◎
誤「…三上の紹介なら話をきくくらいはいいでしょう」
正「…三上の紹介なら話を聞くくらいはいいでしょう」

 間違いではありませんが…細かくなります。同じページや他のペー
 ジでは漢字表記になっていますので統一を。

◎276ページ 2行目
誤「…慌ただしさとクリスマスの華やかさが入り混じって…」
正「…慌ただしさとクリスマスの華やかさが入り交じって…」

 間違いとは言い切れませんが、新聞用字用語集では、「とけ合う
 まじり方」の[混]ではなく、「とけ合わないまじり方」の[交]を
 使う例として[入り交じる]を挙げています。
 
◎314ページ 11行目◎
誤「固いぞ、という津野のヤジにみんなが笑った。」
正「硬いぞ、という津野のヤジにみんなが笑った。」

 挨拶が堅苦しい、話の内容が[かたい]という意味です。

 「堅い話」では「確実な内容」という意味になり、この場面では
 使い方が違います。
 「硬い表現、態度が硬い、話が硬い(生硬)」の[硬い]になると思
 います。

 318ページに「硬い口調で…」、346ページに「硬い表情で…」、
 392ページに「(挨拶が)硬いよ、というヤジが飛んで…」という
 正しい表現が見られます。

◎392ページ 16行目ほか◎
誤「…春を思わせる陽射しが差し込む二月の朝のことであった。」
正「…春を思わせる柔らかい光が差し込む二月の朝のことであっ
  た。」

 [陽射し]は間違いではありませんが、表外音訓になりますので、[日
 差し]がよろしいかと。

 それ以前に、[日差し]という言葉には「日光が差す」という意味が
 含まれていますので、「日差しが差す」は「重言」に当たると考え
 られます。重複表現は絶対にダメだ、ということはありませんが、
 表現の仕方を変えたほうがよろしいでしょう。

※重版や文庫化でこうした箇所が訂正・修正されているかもしれません。



 
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