ハング Hang
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ハング Hang
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投稿日時 2014/5/26 19:15
nande3
投稿数: 128
ISBN:978-4-12-205693-0
著者:誉田 哲也(ほんだ てつや)
発行:2012年9月25日 初版(中公文庫)
<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>
※徳間書店刊『ハング』(2009年9月)の文庫化です。
◎20ページ 11行目◎
誤「…ただの一人相撲(ルビ=ひとりずもう)だな」
正「…ただの独り相撲だな」
微妙な表現です。「人数に重点」がある漢字表現の[一人]。
演者が一人の[一人芝居]はありますが、[一人相撲]はないと思い
ます。[相撲]は、土俵の上で力士が組み合って戦うもので、基本
は[二人]。
固有名詞[一人相撲]ならば、「本来二人で行うべき相撲を一人で
行う神事や大道芸」になるでしょう。
比喩表現で、「相手もいないのに、また、周囲の事情や結果を考
えずに、ひとりで意気込むこと」の意で[独り相撲]。
最近、この二つの意味を示して[一人相撲]とする辞典もあります
が、古い辞典では、単独で[独り相撲]を解説していました。
比喩として使うならば、[独り相撲]がよろしいかと。
◎58ページ 5行目◎
誤「…命と引き替えにすることも厭わず…」
正「…命と引き換えにすることも厭わず…」
[替える]は、「AをやめてBにかえる」の意。
<「はかる」の漢字は?>
◎32ページ 8行目◎
誤「…この竹本という男の力量も図れるというものだろう。」
正「…この竹本という男の力量も測れるというものだろう。」
◎71ページ 10行目◎
誤「あくまでもお店の形を計るだけです。」
正「あくまでもお店の形を測るだけです。」
同じ71ページの文章に「…天井の高さ…などを測って」と正しい
表現があります。
◎393ページ 14行目◎
誤「そこであなたは名越和馬と諮(ルビ=はか)り、名越の娘婿で
ある岩城繁男を使って、馳のアリバイ作りを、奥山という警視
庁の刑事にさせた」
正「そこであなたは名越和馬と謀り、名越の娘婿である岩城繁男を
使って、馳のアリバイ作りを、奥山という警視庁の刑事にさせ
た」
いいような悪いような…判断に迷います。
[諮る]=(下の者に)意見を求める、相談する
[謀る]=だます、計略にかける
全体としては「はかりごと(謀)」なので、[謀る]がいいような
気がします。
※「新聞用語用字集」から
[計る]=計算、計画……国の将来を計る、タイミングを計るなど
[図る]=意図、企画……合理化を図る、便宜を図るなど
[量る]=計量、推量(注 「身長と体重を測る」は別)……推し
量る、容積を量るなど
[測る]=物事の広狭・深浅・長短・遠近・高低・大将などをはか
る、測定、測量、推測……真意を測る、才能を測るなど
[謀る]=謀議、謀略……悪事を謀る、暗殺を謀るなど
[諮る]=たずね相談する……審議会に諮るなど
<手を上げる、手を挙げるの使い分けは?>
◎159ページ 7行目◎
誤「そこで手を上げ、タクシーを拾った。」
正「そこで手を挙げ、タクシーを拾った。」
このサイトでも再三指摘している言葉です。
76ページでは「ただ、と植草が手を挙げる。」と使っています。
[挙手]の意味で、正しい使い方です。
222ページには「津原が手を上げるとすぐに気づき…」という文章
があります。
285ページには「…手を上げて横断してしまう…」という文章があ
ります。
「下がる・下げるの対語」の[上]ではなく、「はっきり分かるよ
うに示す、意思表示」の意の[挙]を使うところでしょう。
タクシーを拾うシーンもしかり。
[手を上げる]は、辞典に示されている
1 降参する。「攻めたてられて思わず―・げる」
2 なぐろうとして手を振り上げる。乱暴をはたらく。「親に向
かって―・げる」
3 腕前や技量が進歩する。上達する。「ゴルフの―・げる」
の意味限定で使うのがよろしいかと。
◎368ページ 5行目◎
誤「…ノブを引くと、火が起こる仕掛けにでもなっていた…」
正「…ノブを引くと、火がおこる仕掛けにでもなっていた…」
微妙な表現です。[発生]という意味では[起こる]の表記になり、
「事件が起こる」「発作が起こる」などと使うようですが…。
発生は発生なのですが、[火]なので…ここは、漢字で書くなら
[熾る]でしょう。
または、表現を変えて、「…ノブを引くと、火花が出る(発生す
る)仕掛けにでもなっていた…」「…ノブを引くと、スパークす
る仕掛けにでもなっていた…」でしょうか。
著者:誉田 哲也(ほんだ てつや)
発行:2012年9月25日 初版(中公文庫)
<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>
※徳間書店刊『ハング』(2009年9月)の文庫化です。
◎20ページ 11行目◎
誤「…ただの一人相撲(ルビ=ひとりずもう)だな」
正「…ただの独り相撲だな」
微妙な表現です。「人数に重点」がある漢字表現の[一人]。
演者が一人の[一人芝居]はありますが、[一人相撲]はないと思い
ます。[相撲]は、土俵の上で力士が組み合って戦うもので、基本
は[二人]。
固有名詞[一人相撲]ならば、「本来二人で行うべき相撲を一人で
行う神事や大道芸」になるでしょう。
比喩表現で、「相手もいないのに、また、周囲の事情や結果を考
えずに、ひとりで意気込むこと」の意で[独り相撲]。
最近、この二つの意味を示して[一人相撲]とする辞典もあります
が、古い辞典では、単独で[独り相撲]を解説していました。
比喩として使うならば、[独り相撲]がよろしいかと。
◎58ページ 5行目◎
誤「…命と引き替えにすることも厭わず…」
正「…命と引き換えにすることも厭わず…」
[替える]は、「AをやめてBにかえる」の意。
<「はかる」の漢字は?>
◎32ページ 8行目◎
誤「…この竹本という男の力量も図れるというものだろう。」
正「…この竹本という男の力量も測れるというものだろう。」
◎71ページ 10行目◎
誤「あくまでもお店の形を計るだけです。」
正「あくまでもお店の形を測るだけです。」
同じ71ページの文章に「…天井の高さ…などを測って」と正しい
表現があります。
◎393ページ 14行目◎
誤「そこであなたは名越和馬と諮(ルビ=はか)り、名越の娘婿で
ある岩城繁男を使って、馳のアリバイ作りを、奥山という警視
庁の刑事にさせた」
正「そこであなたは名越和馬と謀り、名越の娘婿である岩城繁男を
使って、馳のアリバイ作りを、奥山という警視庁の刑事にさせ
た」
いいような悪いような…判断に迷います。
[諮る]=(下の者に)意見を求める、相談する
[謀る]=だます、計略にかける
全体としては「はかりごと(謀)」なので、[謀る]がいいような
気がします。
※「新聞用語用字集」から
[計る]=計算、計画……国の将来を計る、タイミングを計るなど
[図る]=意図、企画……合理化を図る、便宜を図るなど
[量る]=計量、推量(注 「身長と体重を測る」は別)……推し
量る、容積を量るなど
[測る]=物事の広狭・深浅・長短・遠近・高低・大将などをはか
る、測定、測量、推測……真意を測る、才能を測るなど
[謀る]=謀議、謀略……悪事を謀る、暗殺を謀るなど
[諮る]=たずね相談する……審議会に諮るなど
<手を上げる、手を挙げるの使い分けは?>
◎159ページ 7行目◎
誤「そこで手を上げ、タクシーを拾った。」
正「そこで手を挙げ、タクシーを拾った。」
このサイトでも再三指摘している言葉です。
76ページでは「ただ、と植草が手を挙げる。」と使っています。
[挙手]の意味で、正しい使い方です。
222ページには「津原が手を上げるとすぐに気づき…」という文章
があります。
285ページには「…手を上げて横断してしまう…」という文章があ
ります。
「下がる・下げるの対語」の[上]ではなく、「はっきり分かるよ
うに示す、意思表示」の意の[挙]を使うところでしょう。
タクシーを拾うシーンもしかり。
[手を上げる]は、辞典に示されている
1 降参する。「攻めたてられて思わず―・げる」
2 なぐろうとして手を振り上げる。乱暴をはたらく。「親に向
かって―・げる」
3 腕前や技量が進歩する。上達する。「ゴルフの―・げる」
の意味限定で使うのがよろしいかと。
◎368ページ 5行目◎
誤「…ノブを引くと、火が起こる仕掛けにでもなっていた…」
正「…ノブを引くと、火がおこる仕掛けにでもなっていた…」
微妙な表現です。[発生]という意味では[起こる]の表記になり、
「事件が起こる」「発作が起こる」などと使うようですが…。
発生は発生なのですが、[火]なので…ここは、漢字で書くなら
[熾る]でしょう。
または、表現を変えて、「…ノブを引くと、火花が出る(発生す
る)仕掛けにでもなっていた…」「…ノブを引くと、スパークす
る仕掛けにでもなっていた…」でしょうか。
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