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失踪都市 所轄魂

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015/3/9 20:17 | 最終変更
nande3  一人前   投稿数: 128
ISBN:978-4-19-863823-8
著者:笹本 稜平(ささもと りょうへい)
発行:2014年7月31日 初刷

城東署の葛木警部補と息子のキャリア警視・俊史が主人公。
「所轄魂シリーズ」第二弾。

<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>

◎5ページ 2行目◎
誤「…西に広がる低い家並の向こうには…」
正「…西に広がる低い家並みの向こうには…」

 同じページに「…いまも残る下町風の街並が…」との文章があり
 ます。

 [並]は「主に程度が普通である場合」に「並足」「並肉」「並外
 れ」などと使います。
 [並み]は「主に並んだもの。同じ程度、同類の場合」に「足並み」
 「家並み」「軒並み」などと使います。
 「並木(通り・道)」は別。新聞用字用語集の説明から。

 137ページでは「周囲の家並みに目をやりながら」と正しく使っていま
 す。

◎29ページ 10行目◎
誤「…ときに百名を越す捜査員が…」
正「…ときに百名を超す捜査員が…」

◎64ページ 19行目◎
誤「…池田はさっそく手を上げる。」
正「…池田はさっそく手を挙げる。」

◎115ページ 12行目◎
誤「…その死体が誰かを追及すると同時に…」
正「…その死体が誰かを追求すると同時に…」

 微妙。[追及]は、人・責任を「追い詰める」意で「責任を追及」「犯
 人を追及」などと用いると考えます。

 死体は誰か、なので、「真実の追求」「目的の追求」と同じ使い方に
 なると思うのですが…いかがでしょうか。

◎129ページ 2行目◎
誤「…アリバイづくりにアドバルーンを上げただけじゃないかと。」
正「…アリバイづくりにアドバルーンを揚げただけじゃないかと。」

◎129ページ 12行目◎
誤「…砒素化合物の類いは発見されなかった。」
正「…砒素化合物の類は発見されなかった。」

 「たぐい」「るい」ともに送り仮名なしの[類](広辞苑第六版など)
 なのですが、ネット辞書に「たぐい〔たぐひ〕【類い/▽比い】」
 と出ている事実が…?

◎131ページ 17行目◎
誤「…地元住民との意思疎通といった…」
正「…地元住民との意思の疎通といった…」

 「お互いの考えがよく通じること」との意味で四字熟語と説明してい
 るサイトがありますので、間違いとは断定できませんが…。 
 「意思疎通」という四字熟語はない、とする説があります。

 『新明解四字熟語辞典』には載っていません。

◎134ページ 11行目◎
誤「…しかし倉田はどうやら確信犯らしい。」
正「?」

 [確信犯]という語を誤用している、と言えるでしょう。

 以下は、文化庁HPの説明です。

 
   問 「確信犯」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
   答 政治的・思想的・宗教的等の信念に基づいて正しいと信じて
     なされる犯罪行為,又はその行為を行う人のことです。

   「確信犯」を辞書で調べてみましょう。

   「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)

   確信犯  [名] ①法律で,政治的,道義的,思想的,宗教的
   な確信に基づく義務感または使命感によって行われる犯行。政治
   犯,思想犯などと呼ばれるものがこれに当たる。 ②俗に,トラ
   ブルなどをひきおこす結果になるとわかっていて,何事かを行う
   こと。また,その人。

   「明鏡 第2版」(平成22年・大修館書店)

   確信犯  [名] ①政治的・思想的・宗教的な信念に基づいて
   なされる犯罪。また,その人。自らの行為を正しいと確信してな
   される思想犯・政治犯・国事犯など。 ②〔俗〕悪いこととわ
   かっていながら,わざと行う発言や行為。また,それを行う人。
   「―的発言で大臣が辞任する」→①と同様,その背後には最終的
   に自らが正しいという確信がある。

  「岩波国語辞典 第7版 新版」(平成23年・岩波書店)

  確信犯  政治的・思想的または宗教的信念に発して,それが
  (罪になるにはせよ)正しい事だと確信して行う犯罪。→1990年ご
  ろから,悪いとは知りつつ(気軽く)ついしてしまう行為の意に使
  うのは,全くの誤用。

  ここに挙げた辞書は,それぞれ,政治的・思想的・宗教的な信念に
   基づいて行われる犯罪という意味を取り上げています。「日本国語
  大辞典」と「明鏡」では,俗に用いられる用法も挙げられています
   が,「岩波国語辞典」は,この俗用を「全くの誤用」としています。

◎137ページ 4行目◎
誤「…留守のようでドアフォンのボタンを押しても…」
正「…留守のようでドアホンのボタンを押しても…」

 カタカナ表記なので間違いとは言い切れませんが、「インターホン」
 「ドアホン」が一般的でしょう。

◎167ページ 5行目◎
誤「…近所づきあいはまったくしていなかった…」
正「…近所付き合いはまったくしていなかった…」

 漢字を使うかどうかなので間違いではありませんが、170ページでは
 「付き合うべきだ」、259ページでは「近所付き合い」と漢字を使って
 いますので、漢字で統一を。 

◎193ページ 7行目◎
誤「…おれたちのような縁の下の力持ちがいて始めて…」
正「…おれたちのような縁の下の力持ちがいて初めて…」

◎301ページ 15行目◎
誤「…ああいう人は自分の足で階段を登る。」
正「…ああいう人は自分の足で階段を上る。」

 同じページの19行目に「階段というより絶壁をよじ登るような無謀な
 行為」との表現があります。

 「よじのぼる」という意味では[登る]になりますが、一般的な表現
 で階段は[上る]になると、新聞用字用語集は説明しています。

◎315ページ 2行目◎
誤「…警察という組織がそういう病魔に冒されているのなら…」
正「…警察という組織がそういう病魔に侵されているのなら…」

◎317ページ 9行目◎
誤「…あえて強盗班を当ててきた。」
正「…あえて強盗班を充ててきた。」

◎321ページ 20行目◎
誤「…外回りをするようになって、いくつも成果を上げている。」
正「…外回りをするようになって、いくつも成果を挙げている。」

◎345ページ 17行目◎
誤「もうじき祝杯を上げられそうだな」
正「もうじき祝杯を挙げられそうだな」

◎380ページ 3行目◎
誤「…組織を上げてのあと一押しがあれば…」
正「…組織を挙げてのあと一押しがあれば…」

◎382ページ 16行目◎
誤「…本人の意志による失踪の線も考えられるんでね」
正「…本人の意思による失踪の線も考えられるんでね」
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