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秋霧の街

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なし 秋霧の街

msg# 1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/9/16 15:35
nande3  一人前   投稿数: 128
ISBN:978-4-396-63385-1
著者:柴田 哲孝(しばた てつたか)
発行:2012年5月20日 初版第1刷

『渇いた夏』『早春の化石』『冬蛾』に続く、私立探偵・神山健介
シリーズの第四弾。

<誤植というより校正ミス? 意図?>

◎5ページ 6行目ほか◎
誤「深夜の国道一一三号線は、閑散としていた。」
正「深夜の国道一一三号は、閑散としていた。」

 一般的には「国道○○号線」と言っていますが、 正しい表記は道
 路番号のみ。「○号だけで分かりにくい場合は国道20号(甲州街
 道)のように書く」と新聞用字用語集では説明しています。

 307ページで「国道一一三号が、見えてきた。」と正しく使っていま
 すが、311ページでは「…国道113号線で…」(新聞記事を引用する
 形で掲載)、325ページでは「…林道から国道四九号線の橋に出
 て…」と[線]を付けています。

◎54ページ 3行目◎
誤「…捜査線上に名前が上がっていない。」
正「…捜査線上に名前が挙がっていない。」

 「名(名前)が上がる」「名を上げる」は「有名になる」という意味
 になります。「はっきり分かるように示す、列挙する」という意味
 では[挙]を使うようです。(新聞用字用語集から)

◎61ページ 1行目◎
誤「私だって、麻利子の敵を取りたいし。」
正「私だって、麻利子の仇を取りたいし。」

 難しい表現です。間違いとは言えないでしょうが…。

 [敵]の読みは「てき、かたき」で、「てき」が先に出てきます。その
 意味では、「てきをとりたい」と読んでしまいます。

 [敵][仇]も「かたき」です。[仇]は常用外ですので[敵]に統一され
 ていく傾向がありますが、漢字の意味からすると、[敵]は、「競争相
 手」になり、[仇]は「恨みのある相手」。区別して用いたほうがいいと
 思っています。

 この場面では「仇(かたき)を取りたい」もしくは「仇(あだ)を討
 (打)ちたい」のニュアンスではないでしょうか。

◎68ページ 18行目◎
誤「…小料理屋の看板の火がぼんやりと浮かんでいる。」
正「…小料理屋の看板の灯がぼんやりと浮かんでいる。」

 「火炎」ではなく、「照明」ですので[灯]がよろしいのでしょうが、
 69ページに「何軒かの料理屋の小さな火が灯(ルビ=とも)ってい
 た。」という文章があります。

 「何軒かの料理屋の小さな灯(ルビ=ひ)が点(燈、ルビ=とも)っ
 ていた」。ややこしい。

◎93ページ 15行目◎
誤「…マリアという女性は御存知ありませんか」
正「…マリアという女性は御(ご)存じありませんか」

◎227ページ 4行目◎
誤「看護婦や担当医は、いまごろ驚いているだろう。…」
正「看護師や担当医は、いまごろ驚いているだろう。…」

 著者は「看護婦」という言葉が好きなようです。『悪魔は天使の胸
 の中に』(2008年)でも使っています。

 日本においては、以前は女性を看護婦、男性を看護士として区別
 していましたが、2001年に「保健婦助産婦看護婦法」が「保健師
 助産師看護師法」に改定されたことにより、2002年3月から男女と
 もに[看護師]という名称に統一されました。

◎248ページ 14行目◎
誤「午後〇時四五分…」
正「午後零時四五分…」

 間違いではありませんが、誤解を生みます。

◎296ページ 13行目◎
誤「…階下から人の足音が駆け登ってきた。」
正「…階下から人の足音が駆け上ってきた。」

 298ページの1行目に「階下から人が駆け上がる足音が聞こえてき
 た。」という文章があります。

 「駆け上る」「駆け上がる」とも、「下がる・下げるの対語、下ろす・下
 りる・下りの対語」の[上]で。

◎298ページ 12行目◎
誤「神山はトカレフを掲げ、両手を頭上に挙げた。」
正「神山はトカレフを掲げ、両手を上げた。」

 「ホールドアップ」の意味では「手を上げる」と表記、と新聞用字用
 語集は説明しています。


 
 

 
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