死命(しめい)
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投稿日時 2013/8/15 14:50 | 最終変更
nande3
投稿数: 128
ISBN:978-4-16-381320-2
著者:薬丸 岳(やくまる がく)
発行:2012年4月25日 第1刷
◎90ページ 15行目ほか◎
誤「ご存知ありませんか」
正「ご存じありませんか」
[ごぞんじ]をワープロソフトで変換すると[ご存知]が最初に
示されるからでしょうか、「ご存知の…」「ご存知ですか」
などの表現を多く目にします。
[存知](ぞんち=知っていること、承知していること)ではなく
[存じ](ぞんじ=知っていること、承知)の尊敬語で、[ご]を
付けています。
「知っている」「覚える」「考える」「思う」の謙譲語で[存ず
る]。
313ページなどでは「…ご存じでしょうか」と正しい表記が見ら
れます。混在ですね。
◎388ページ 3行目◎
誤「…性器を見つめながら、母親は隠微な笑みを浮かべている。」
正「…性器を見つめながら、母親は淫靡な笑みを浮かべている。」
[みだら]という意味で使っていると思いますので、「かすかで、
表面からは容易に分からないさま」の[隠微]ではないでしょう。
◎388ページ 19行目◎
誤「…ペーパーナイフを取り出した。丹精込めて先を尖らせてくれ
た澄乃からのプレゼントだ。」
正「…ペーパーナイフを取り出した。丹精して先を尖らせてくれ
た澄乃からのプレゼントだ。」
「…ペーパーナイフを取り出した。丹誠を込めて先を尖らせて
くれた澄乃からのプレゼントだ。」
難しいというか、解釈によって意見の分かれる表現です。
[丹誠]と[丹精]、[たんせい]と読む二つの言葉があります。
ワープロソフトの文字説明によると、
―――――
[丹誠]:真心→丹精。「丹誠(=丹精)を凝らす。丹誠(=丹
精)を尽くす」
[丹精]:【一般的】真心を込めて行う。「父が丹精した盆栽」
―――――
これでは、明確に判断するには無理があるかもしれません。
小学館の『大辞泉』では、
―――――
たん‐せい【丹誠/丹精】
[名](スル)《古くは「たんぜい」とも》
1 (丹誠)飾りけや偽りのない心。まごころ。誠意。丹心。
赤心。「―を尽くす」「―を込める」
2 心を込めて物事をすること。「母の―になる手料理」「―し
て盆栽を育てる」
―――――
旺文社の国語辞典では、
―――――
[丹誠]:(名・他スル)心をこめて事をなすこと。心づくし。
(名)まごころ。まこと。丹心。赤心。「―をこめる」
[丹精]:(名・他スル)心をこめて丁寧に物事をすること。
「―して作る」
―――――
こちらの説明が分かりやすいでしょうか。
名詞で「丹誠を込めて」と使うならいいが、動詞として使える
[丹精]を「丹精を込めて」と使うと[込める]の重複になるのでは
ないか、ということです。
ところが、各新聞社、日本放送協会の『用字用語の手引』類は、
この二つを区別することなく[丹精]で統一(共同通信社は用例
なし)しているようです。
TVのニュースでも、よく「…タンセイ込めて育てた○○」と。
NHKの菊花展を紹介するニュースで「…タンセイした菊は…」と
紹介しているのを聞いたことがあります。
取材記者の原稿によるのでしょうか?
日本語の持つ意味が薄れてきているのは時代の流れ。
新しい言葉が生まれ、間違った使い方でもそれが定着し認知され
ると“正しい言葉”になってしまいます。
言葉一つ一つを大切にしたいと思います。
著者:薬丸 岳(やくまる がく)
発行:2012年4月25日 第1刷
◎90ページ 15行目ほか◎
誤「ご存知ありませんか」
正「ご存じありませんか」
[ごぞんじ]をワープロソフトで変換すると[ご存知]が最初に
示されるからでしょうか、「ご存知の…」「ご存知ですか」
などの表現を多く目にします。
[存知](ぞんち=知っていること、承知していること)ではなく
[存じ](ぞんじ=知っていること、承知)の尊敬語で、[ご]を
付けています。
「知っている」「覚える」「考える」「思う」の謙譲語で[存ず
る]。
313ページなどでは「…ご存じでしょうか」と正しい表記が見ら
れます。混在ですね。
◎388ページ 3行目◎
誤「…性器を見つめながら、母親は隠微な笑みを浮かべている。」
正「…性器を見つめながら、母親は淫靡な笑みを浮かべている。」
[みだら]という意味で使っていると思いますので、「かすかで、
表面からは容易に分からないさま」の[隠微]ではないでしょう。
◎388ページ 19行目◎
誤「…ペーパーナイフを取り出した。丹精込めて先を尖らせてくれ
た澄乃からのプレゼントだ。」
正「…ペーパーナイフを取り出した。丹精して先を尖らせてくれ
た澄乃からのプレゼントだ。」
「…ペーパーナイフを取り出した。丹誠を込めて先を尖らせて
くれた澄乃からのプレゼントだ。」
難しいというか、解釈によって意見の分かれる表現です。
[丹誠]と[丹精]、[たんせい]と読む二つの言葉があります。
ワープロソフトの文字説明によると、
―――――
[丹誠]:真心→丹精。「丹誠(=丹精)を凝らす。丹誠(=丹
精)を尽くす」
[丹精]:【一般的】真心を込めて行う。「父が丹精した盆栽」
―――――
これでは、明確に判断するには無理があるかもしれません。
小学館の『大辞泉』では、
―――――
たん‐せい【丹誠/丹精】
[名](スル)《古くは「たんぜい」とも》
1 (丹誠)飾りけや偽りのない心。まごころ。誠意。丹心。
赤心。「―を尽くす」「―を込める」
2 心を込めて物事をすること。「母の―になる手料理」「―し
て盆栽を育てる」
―――――
旺文社の国語辞典では、
―――――
[丹誠]:(名・他スル)心をこめて事をなすこと。心づくし。
(名)まごころ。まこと。丹心。赤心。「―をこめる」
[丹精]:(名・他スル)心をこめて丁寧に物事をすること。
「―して作る」
―――――
こちらの説明が分かりやすいでしょうか。
名詞で「丹誠を込めて」と使うならいいが、動詞として使える
[丹精]を「丹精を込めて」と使うと[込める]の重複になるのでは
ないか、ということです。
ところが、各新聞社、日本放送協会の『用字用語の手引』類は、
この二つを区別することなく[丹精]で統一(共同通信社は用例
なし)しているようです。
TVのニュースでも、よく「…タンセイ込めて育てた○○」と。
NHKの菊花展を紹介するニュースで「…タンセイした菊は…」と
紹介しているのを聞いたことがあります。
取材記者の原稿によるのでしょうか?
日本語の持つ意味が薄れてきているのは時代の流れ。
新しい言葉が生まれ、間違った使い方でもそれが定着し認知され
ると“正しい言葉”になってしまいます。
言葉一つ一つを大切にしたいと思います。
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- 死命(しめい) (nande3, 2013/8/15 14:50)