執着(しゅうちゃく) 捜査一課・澤村慶司
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投稿日時 2013/9/24 18:25 | 最終変更
nande3
投稿数: 128
ISBN:978-4-04-110394-4
著者:堂場 瞬一(どうば しゅんいち)
発行:平成25(2013)年2月28日 初版
『逸脱』『歪』に続く「捜査一課・澤村慶司」シリーズの
第三弾です。
<誤植というより校正ミス? 意図?>
◎8ページ 11行目12行目ほか◎
誤「…国道百十六号線へ。途中で右へ折れて四〇二号線に入り…」
正「…国道一一六号へ。途中で右へ折れて四〇二号に入り…」
まず、国道の路線番号表記について。まったくの間違い、とは
言えませんが…
新聞関係では「国道14号」「県道69号」「環状8号」など、番号
のみの、道路法に沿った表記です。
一般には「国道○○○号線」「○○○号線」と呼ばれることも多
いのですが、道路法では一般国道は番号を路線名として使用して
おり、正式には「線」を付して呼称されることはありません。
数字の表記ですが、新聞関係では洋数字を使って「国道126号」
などとしています。本書は全体を通して漢数字を使っています
ので「国道百十六号」でOKなのですが、同じ行で「四〇二号」と
あり、位の表記に違いが見られます。
位を表す数詞を用いるかどうかです。住所の所番地や自動車関係
の排気量、緯度経度などと同じように位の数詞を省く漢数字表記
「四〇二号」のほうが読みやすいと思うのですが、いかがでしょ
うか。
◎16ページ 2行目◎
誤「墓へ至る長い石段を登るのが辛くなっていた。…」
正「墓へ至る長い石段を上るのが辛くなっていた。…」
山や天守閣ではなく、一般的な石段(階段)ととらえ、「上る」
とするのがいいかもしれません。
6行後に「最後の十段……気合を入れて一気に上り切り」とあり
ます。「登り切り」ではありません。統一して「上る」に。
◎49ページ 3行目◎
誤「ひどい事件だったな、あれは。遺体、まだ上がってないんだろ
う?」「日本海に消えました」
正「ひどい事件だったな、あれは。遺体、まだ揚がってないんだろ
う?」「日本海に消えました」
「水死体の引き揚げ」ですので、「揚がってない」がよろしい
かと。
◎217ページ 8行目◎
誤「急に他県警から降ってきた面倒な仕事…」
正「急に他県警から振ってきた面倒な仕事…」もしくは
「急に他県警が振ってきた面倒な仕事…」
微妙な表現です。
県警にランクづけがないとしたら、上下の関係がないと仮定した
ら、「上から下に(雨のように)降って」くるより、「話を振っ
て」きた、ととらえてもいいように思います。
◎231ページ 6行目◎
誤「…それを無理に押し進めると…」
正「…それを無理に推し進めると…」
力を加えて前進させるのではなく、一般的に推進するという意味
で「推し進める」になるのでは。
◎244ページ 1行目◎
誤「ソースと醤油、それに油の臭いが入り交じり…」
正「ソースと醤油、それに油の臭いが入り混じり…」
これも微妙。
新聞社の用字用語集では、[入り交じる]」は「とけ合わないまじ
り方」の例に挙げています。
「とけ合うまじり方」として「においが混じり合う」を示してい
ますので、「入り混じり…」嫌な臭いになるとしたほうが適して
いるのではないかと考えます。
◎306ページ 14行目ほか◎
誤「引き上げましょう。今晩中に照会したい」
正「引き揚げましょう。今晩中に照会したい」
「引っ張り上げる」のではなく、「元の所に戻る」のですから
[引き揚げる]に。
312ページでは「手錠を引っ張って男の体を引き上げ…」と使っ
ています。
◎310ページ 18行目ほか◎
誤「…男の耳の後ろに銃握を打ち下ろした。」
正「…男の耳の後ろに銃把を打ち下ろした。」
[銃握]の読み方が分かりませんでした。ネットで検索しても?
もしかして、拳銃のグリップ部分=銃把(じゅうは、銃床の一部
で、射撃の際に引き金を引く手で握る部分)かも。
◎311ページ 1行目◎
誤「男が短い悲鳴をあげ…」
正「男が短い悲鳴を上げ…」
細かいところですが、校正ミスになると思います。
312ページほかで「悲鳴が上がる」「悲鳴を上げるとは」の表記
がありますので、統一すべきです。
◎311ページ 10行目ほか◎
誤「…尻ポケットからプラスティック製の手錠を取り出し…」
正「…尻ポケットからプラスチック製の手錠を取り出し…」
間違いではありませんが、カタカナ表記では[プラスチック]が
一般的でしょう。
◎359ページ 2行目◎
誤「(ナイロン製のパーカーをかけ)これで少しは、温かいんじゃ
ないかな」
正「(ナイロン製のパーカーをかけ)これで少しは、暖かいんじゃ
ないかな」
「寒の対語」で[暖かい]でしょうか。
◎367ページ 6行目◎
誤「彼女に手当を任せた。」
正「彼女に手当てを任せた。」
金銭の[手当]と治療の[手当て]は、区別したほうがいいと思い
ます。
◎379ページ 2行目◎
誤「…煙、それに消化剤を吸ってしまったのか、ひどい咳が止まら
ない。」
正「…煙、それに消火剤を吸ってしまったのか、ひどい咳が止まら
ない。」
火を見るよりも明らかな、典型的な変換ミスです。
消火器を使用し、消火剤を噴射したあとの表現です。
※ 初版を一読して気になった箇所を挙げてみました。版を重ねる
ときに修正されることを望みます。
著者:堂場 瞬一(どうば しゅんいち)
発行:平成25(2013)年2月28日 初版
『逸脱』『歪』に続く「捜査一課・澤村慶司」シリーズの
第三弾です。
<誤植というより校正ミス? 意図?>
◎8ページ 11行目12行目ほか◎
誤「…国道百十六号線へ。途中で右へ折れて四〇二号線に入り…」
正「…国道一一六号へ。途中で右へ折れて四〇二号に入り…」
まず、国道の路線番号表記について。まったくの間違い、とは
言えませんが…
新聞関係では「国道14号」「県道69号」「環状8号」など、番号
のみの、道路法に沿った表記です。
一般には「国道○○○号線」「○○○号線」と呼ばれることも多
いのですが、道路法では一般国道は番号を路線名として使用して
おり、正式には「線」を付して呼称されることはありません。
数字の表記ですが、新聞関係では洋数字を使って「国道126号」
などとしています。本書は全体を通して漢数字を使っています
ので「国道百十六号」でOKなのですが、同じ行で「四〇二号」と
あり、位の表記に違いが見られます。
位を表す数詞を用いるかどうかです。住所の所番地や自動車関係
の排気量、緯度経度などと同じように位の数詞を省く漢数字表記
「四〇二号」のほうが読みやすいと思うのですが、いかがでしょ
うか。
◎16ページ 2行目◎
誤「墓へ至る長い石段を登るのが辛くなっていた。…」
正「墓へ至る長い石段を上るのが辛くなっていた。…」
山や天守閣ではなく、一般的な石段(階段)ととらえ、「上る」
とするのがいいかもしれません。
6行後に「最後の十段……気合を入れて一気に上り切り」とあり
ます。「登り切り」ではありません。統一して「上る」に。
◎49ページ 3行目◎
誤「ひどい事件だったな、あれは。遺体、まだ上がってないんだろ
う?」「日本海に消えました」
正「ひどい事件だったな、あれは。遺体、まだ揚がってないんだろ
う?」「日本海に消えました」
「水死体の引き揚げ」ですので、「揚がってない」がよろしい
かと。
◎217ページ 8行目◎
誤「急に他県警から降ってきた面倒な仕事…」
正「急に他県警から振ってきた面倒な仕事…」もしくは
「急に他県警が振ってきた面倒な仕事…」
微妙な表現です。
県警にランクづけがないとしたら、上下の関係がないと仮定した
ら、「上から下に(雨のように)降って」くるより、「話を振っ
て」きた、ととらえてもいいように思います。
◎231ページ 6行目◎
誤「…それを無理に押し進めると…」
正「…それを無理に推し進めると…」
力を加えて前進させるのではなく、一般的に推進するという意味
で「推し進める」になるのでは。
◎244ページ 1行目◎
誤「ソースと醤油、それに油の臭いが入り交じり…」
正「ソースと醤油、それに油の臭いが入り混じり…」
これも微妙。
新聞社の用字用語集では、[入り交じる]」は「とけ合わないまじ
り方」の例に挙げています。
「とけ合うまじり方」として「においが混じり合う」を示してい
ますので、「入り混じり…」嫌な臭いになるとしたほうが適して
いるのではないかと考えます。
◎306ページ 14行目ほか◎
誤「引き上げましょう。今晩中に照会したい」
正「引き揚げましょう。今晩中に照会したい」
「引っ張り上げる」のではなく、「元の所に戻る」のですから
[引き揚げる]に。
312ページでは「手錠を引っ張って男の体を引き上げ…」と使っ
ています。
◎310ページ 18行目ほか◎
誤「…男の耳の後ろに銃握を打ち下ろした。」
正「…男の耳の後ろに銃把を打ち下ろした。」
[銃握]の読み方が分かりませんでした。ネットで検索しても?
もしかして、拳銃のグリップ部分=銃把(じゅうは、銃床の一部
で、射撃の際に引き金を引く手で握る部分)かも。
◎311ページ 1行目◎
誤「男が短い悲鳴をあげ…」
正「男が短い悲鳴を上げ…」
細かいところですが、校正ミスになると思います。
312ページほかで「悲鳴が上がる」「悲鳴を上げるとは」の表記
がありますので、統一すべきです。
◎311ページ 10行目ほか◎
誤「…尻ポケットからプラスティック製の手錠を取り出し…」
正「…尻ポケットからプラスチック製の手錠を取り出し…」
間違いではありませんが、カタカナ表記では[プラスチック]が
一般的でしょう。
◎359ページ 2行目◎
誤「(ナイロン製のパーカーをかけ)これで少しは、温かいんじゃ
ないかな」
正「(ナイロン製のパーカーをかけ)これで少しは、暖かいんじゃ
ないかな」
「寒の対語」で[暖かい]でしょうか。
◎367ページ 6行目◎
誤「彼女に手当を任せた。」
正「彼女に手当てを任せた。」
金銭の[手当]と治療の[手当て]は、区別したほうがいいと思い
ます。
◎379ページ 2行目◎
誤「…煙、それに消化剤を吸ってしまったのか、ひどい咳が止まら
ない。」
正「…煙、それに消火剤を吸ってしまったのか、ひどい咳が止まら
ない。」
火を見るよりも明らかな、典型的な変換ミスです。
消火器を使用し、消火剤を噴射したあとの表現です。
※ 初版を一読して気になった箇所を挙げてみました。版を重ねる
ときに修正されることを望みます。
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