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主よ、永遠の休息を

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なし 主よ、永遠の休息を

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2014/5/7 14:21 | 最終変更
nande3  一人前   投稿数: 128
ISBN:978-4-408-55097-8
著者:誉田 哲也 (ほんだ てつや)
発行:2012年10月15日 初版第1刷(実業之日本社文庫)

著者の看板作品となった『ストロベリーナイト』から始まる
「姫川玲子シリーズ」の原点といわれています。
女児誘拐殺人事件を扱った小説。

<誤植というより校正ミス? 意図?>

◎29ページ 14行目◎
誤「…よく夕飯でもどう? って訊いてくれるんだけど…」
正「…よく夕飯でもどう?って訊いてくれるんだけど…」

 疑問符[?]の用法です。

 「新聞用字用語集」の「書き方の基本」ページに「文末が[?]
 [!]で終わるときは句点を付けず、その後一字あける」と記され
 ています。

 この用法に倣ったような形態の文章ですが、「これらの符号の次
 が『 」』『 )』『 ″』のときは一字あけしない」「単語に係る[?][!]
 の後は一字あけない」との説明もあります。

 「…よく『夕飯でもどう?』って訊いてくれるんだけど…」の
 二重かぎ括弧『 』を省略した形にも思えるので、「一字あけ」
 は不要ではないでしょうか?

 48ページに「なんて、いわれました? ナイフを向けられたと
 き」という文章があります。こちらの「一字あけ」が正しい使い
 方でしょう。

◎46ページ 9行目◎
誤「それが案外、精神的に応(ルビ=こた)える。」
正「それが案外、精神的にこたえる。」

 間違いではありませんが…

 「新聞用字用語集」では、「働き掛けに報いる、応じる」の意の
 ときは[応える]を用い、「強く感じる意味の『寒さがこたえる、
 骨身にこたえる、胸にこたえる』などは平仮名書き」と規定して
 います。

◎50ページ 9行目◎
誤「…相手の迷惑も顧(ルビ=かえり)みず、報道の自由の名…」
正「…相手の迷惑も省みず、報道の自由の名…」 

 微妙な使い方ですね。

 「振り返る」の意の[顧みる]ではなく、「反省」の意味で使うな
 ら[省みる]のほうでしょうか?

◎106ページ 8行目◎ 
誤「せまい店だから、手を上げてちょっといえばオーダーは通る」
正「せまい店だから、手を挙げてちょっといえばオーダーは通る」

 ここも微妙。

 「誤植.JP」でも再三指摘しておりますように、「手を上げる」
 「手を挙げる」の使い分けは難しいと思います。

 「新聞用字用語集」の解釈になります。

 「下がる、下げるの対語」であり、「ホールドアップ、殴る」な
 どの一般用語が[手を上げる]。
 対して「手を挙げる(挙手)」は「はっきり分かるように示す、
 意思表示」の意味。

 [上][挙]の書き分けが紛らわしいときは平仮名書き、としていま
 す。

 「紛らわしい」ときは、状況や姿から判断できるのではないかと
 考えます。

 ポイントは、[手]の位置。「やぁ」「おぅ」「はい」「オス」な
 ど、ちょっとした[挨拶]を意味するポーズの[手]の位置は、自分
 の顔の横かやや下あたり。
 この場合は「手を上げる」になるかと。

 「タクシーをつかまえたいとき」や「意思を示したいとき」の
 [手]の位置は、顔より上、頭より高くなると思います。そのとき
 は「手を挙げる」。「嫌々ながら賛意を示す」ときの[手]の位置
 は顔より低くなりますが、意思表示に当たるので「手を挙げる」
 になるでしょう。
 
 「オーダーする」「注文する」のですから106ページは頭より手
 が高くなるケースで「手を挙げる」になり、43ページの「ああ、
 分かった分かった、と係長は手を上げ、奥の方に歩いていってし
 まった。」の[手]は顔の横くらいと想像でき、「手を上げる」で
 OKかと。

 127ページに「…そのまま手をあげてタクシーを拾った。」、153
 ページに「『うん、よろしく』サッと手をあげて店を飛び出す。」、
 170ページに「『じゃあ……また』軽く手をあげて、鶴田さんは
 私に背を向けた。」と平仮名書きの文章もありました。

 
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