最後の証人
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投稿日時 2015/12/21 2:31
nande3
投稿数: 128

ISBN:978-4-7966-7686-1
著者:柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
発行:2010年6月16日 第2刷
<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>
◎27ページ 7行目ほか◎
誤「…残業手当てがつかないこともある。」
正「…残業手当がつかないこともある。」
間違いとは言い切れませんが、新聞用字用語集やワープロソフトで
は、[手当て]=一般用語。治療、対策など、[手当]=金銭、と区別
しています。
例を挙げると、[手当て]は「応急手当て、傷の手当て、資金の手当
て」など、[手当]は「お手当、家族手当、年末手当」など。
◎28ページ 7行目◎
誤「…二階にあがる。…着替えてリビングに降りていくと…」
正「…二階にあがる。…着替えてリビングに下りていくと…」
[降りる]は「乗り物から外へ出る、地位・役目などからしりぞく、
降下」の意。[下りる]は「上の対語、上から下へ」の意。
ゆえに、「…二階にあがる。…着替えてリビングに降りていくと…」
は「…二階に上がる。…着替えてリビングに下りていくと…」という
漢字の使い方になると思います。
◎56ページ 9行目◎
誤「マスコミも時折、検察審査会の意義問題をとりあげていた。」
正「マスコミも時折、検察審査会の意義問題を取り上げていた。」
これも間違いではありませんが、漢字表記がよろしいかと。細かくな
りますが、90ページでは「…手からグラスを取り上げた。」と漢字を
使っています。
◎72ページ 11行目◎
誤「人は他人との間に、距離をとっています。…人って自然と間合いを
計っているものじゃないですか。」
正「人は他人との間に、距離をとっています。…人って自然と間合いを
測っているものじゃないですか。」
難しいです。[間合い]を[タイミング]と解釈すると、「時間・タイミ
ングを計る」ですので「間合いを計る」になりそうですが…。
[間合(い)]の意味は「ほどよい間隔。ころあい。時機。おり」。
「物と物とのへだたり」を意味する[間隔]は、「(間合いを)とった
り、詰めたり」するもので「はかる」ものではありません。剣道の
[一足一刀の間合い]です。
[時機]を意味すると、「(間合いを)見計らう」になるのですが、この
文章の意味するのは[間隔]という彼我の心理的・肉体的な[距離]のこ
とだと考えられますので、「真意を測る、度合いを測る」の[測る]を
使うのが正しい、ことになるのでは?
◎173ページ 13行目ほか◎
誤「…何を聞きたいのか図りかね…」
正「…何を聞きたいのか測(=量)りかね…」
◎194ページ 1行目ほか◎
誤「あれでは、相手の独擅場じゃないですか」
正「あれでは、相手の独擅場(ルビ=どくせんじょう)じゃないですか」
間違いではありません。正しい使い方なのですが…
本来は[独擅場(どくせんじょう)]ですが、「擅(せん)」が「壇(だ
ん)」と誤読されて、「どくだんじょう」という言い方が定着したこ
とにより、今では表記も「独壇場」が一般化し、放送や新聞でも[独
壇場(どくだんじょう)]を使っています。
ということから、使うなら[独壇場]、[独擅場]を使うなら難読漢字
なのでルビを振ったほうがいいのではないかと考えます。
◎263ページ 5行目◎
誤「男性は、納得したように、うなづいた。」
正「男性は、納得したように、うなずいた。」
現代仮名遣いでいうと、「うなずく」。279ページでは「…振り向い
てうなずいた」と正しく使っています。
◎296ページ 2行目◎
誤「…丸山さんが白を切りとおして七年前の事故を証言しなかったら…」
正「…丸山さんがしら(シラ)を切りとおして七年前の事故を証言しなかっ
たら…」
微妙です。「しらを切る」とは「知っていながら知らないと言いはる。
しらばくれる」と説明している辞典があります。「しら」は「知らない」
の略で「白は、単なる当て字」との解説もありますので、書くとしたら
「…しら(シラ)を切りとおして…」がよろしいかと。
著者:柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
発行:2010年6月16日 第2刷
<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>
◎27ページ 7行目ほか◎
誤「…残業手当てがつかないこともある。」
正「…残業手当がつかないこともある。」
間違いとは言い切れませんが、新聞用字用語集やワープロソフトで
は、[手当て]=一般用語。治療、対策など、[手当]=金銭、と区別
しています。
例を挙げると、[手当て]は「応急手当て、傷の手当て、資金の手当
て」など、[手当]は「お手当、家族手当、年末手当」など。
◎28ページ 7行目◎
誤「…二階にあがる。…着替えてリビングに降りていくと…」
正「…二階にあがる。…着替えてリビングに下りていくと…」
[降りる]は「乗り物から外へ出る、地位・役目などからしりぞく、
降下」の意。[下りる]は「上の対語、上から下へ」の意。
ゆえに、「…二階にあがる。…着替えてリビングに降りていくと…」
は「…二階に上がる。…着替えてリビングに下りていくと…」という
漢字の使い方になると思います。
◎56ページ 9行目◎
誤「マスコミも時折、検察審査会の意義問題をとりあげていた。」
正「マスコミも時折、検察審査会の意義問題を取り上げていた。」
これも間違いではありませんが、漢字表記がよろしいかと。細かくな
りますが、90ページでは「…手からグラスを取り上げた。」と漢字を
使っています。
◎72ページ 11行目◎
誤「人は他人との間に、距離をとっています。…人って自然と間合いを
計っているものじゃないですか。」
正「人は他人との間に、距離をとっています。…人って自然と間合いを
測っているものじゃないですか。」
難しいです。[間合い]を[タイミング]と解釈すると、「時間・タイミ
ングを計る」ですので「間合いを計る」になりそうですが…。
[間合(い)]の意味は「ほどよい間隔。ころあい。時機。おり」。
「物と物とのへだたり」を意味する[間隔]は、「(間合いを)とった
り、詰めたり」するもので「はかる」ものではありません。剣道の
[一足一刀の間合い]です。
[時機]を意味すると、「(間合いを)見計らう」になるのですが、この
文章の意味するのは[間隔]という彼我の心理的・肉体的な[距離]のこ
とだと考えられますので、「真意を測る、度合いを測る」の[測る]を
使うのが正しい、ことになるのでは?
◎173ページ 13行目ほか◎
誤「…何を聞きたいのか図りかね…」
正「…何を聞きたいのか測(=量)りかね…」
◎194ページ 1行目ほか◎
誤「あれでは、相手の独擅場じゃないですか」
正「あれでは、相手の独擅場(ルビ=どくせんじょう)じゃないですか」
間違いではありません。正しい使い方なのですが…
本来は[独擅場(どくせんじょう)]ですが、「擅(せん)」が「壇(だ
ん)」と誤読されて、「どくだんじょう」という言い方が定着したこ
とにより、今では表記も「独壇場」が一般化し、放送や新聞でも[独
壇場(どくだんじょう)]を使っています。
ということから、使うなら[独壇場]、[独擅場]を使うなら難読漢字
なのでルビを振ったほうがいいのではないかと考えます。
◎263ページ 5行目◎
誤「男性は、納得したように、うなづいた。」
正「男性は、納得したように、うなずいた。」
現代仮名遣いでいうと、「うなずく」。279ページでは「…振り向い
てうなずいた」と正しく使っています。
◎296ページ 2行目◎
誤「…丸山さんが白を切りとおして七年前の事故を証言しなかったら…」
正「…丸山さんがしら(シラ)を切りとおして七年前の事故を証言しなかっ
たら…」
微妙です。「しらを切る」とは「知っていながら知らないと言いはる。
しらばくれる」と説明している辞典があります。「しら」は「知らない」
の略で「白は、単なる当て字」との解説もありますので、書くとしたら
「…しら(シラ)を切りとおして…」がよろしいかと。
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最後の証人 (nande3, 2015/12/21 2:31)