エリカ 女性秘匿捜査官・原麻希
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エリカ 女性秘匿捜査官・原麻希
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投稿日時 2013/8/11 21:25 | 最終変更
nande3
投稿数: 128
ISBN:978-4-8002-0579-7
著者:吉川 英梨(よしかわ えり)
発行:2013年1月24日 第1刷(宝島社文庫)
<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>
※テレビドラマ化された人気の「ハラマキ」シリーズ第四弾
◎7ページ 4行目◎
誤「…私の心臓が勝手に鼓動を早くした。」
正「…私の心臓が勝手に鼓動を速くした。」
「いち早く」「出発を早める」といった時間関係の[早い]では
なく、「決断が速い」「呼吸が速い」「テンポが速い」と同じ
速度関係の[速い]ですね。
◎7ページ 10行目◎
誤「締め切ったブラインドの向こう側には…」
正「閉め切ったブラインドの向こう側には…」
「しめつける」「しめくくる」の意味の[締]は、「原稿を締め
切る」「締め切り日「戸締りをする」など。
[開]の対語の[閉]は、「窓を閉める」「店を閉める」「カーテン
を閉め切る」。
◎14ページ 14行目◎
誤「回線スタートは今日の午前十二時。」
正「回線スタートは今日の正午。」
昼間の話です。夜中のことだとしても…。
昼の十二時ちょうどは「正午」、夜の十二時ちょうどは「午前
零時」とする。「正午」は「午後零時」とはしない。期限を表す
場合は、例外として「午後六時から午後十二時まで」のように
「十二時」を使ってよい。――新聞社の日時の書き方から
48ページには「…研修のあった日の正午に連絡があって…」の
文章があります。また、203ページには「深夜零時前後」と。
◎43ページ 9行目◎
誤「まず、あなた宛てに…指示が書かれた文書が届いたとか。」
正「まず、あなた宛に…指示が書かれた文書が届いたとか。」
このシリーズを通して、宛名・名宛の使い方で「あなた宛てに」
と[て]を送る表記です。動詞のように「~に宛てて手紙を書く」
のではなく、宛名や住所を示す宛先の[宛」(接尾語)なのです
が。
こうも続くと、[宛て]が正しいのかなと思ってしまい、ネットで
調べてみました。
まぎらわしい解説がありました。三省堂『大辞林』の次のような
解説です。
――――
あて【当て・宛て】
一 ( 名 )
①めあて。目的。 「 -もなくさまよう」
②みこみ。めあて。 「解決の-がある」 「金策の-がつく」
「捜索の-がない」
③たより。期待。 「親の財産を-にする」 「 -がはずれる」
「 -にならない男」
④他の語と複合して用いられる。
㋐体・衣類などを保護し補強するため,あてるもの。 「肩-」
「ひじ-」
㋑うちつけること。 「 -身」 「鞘(さや)-」
⑤〔近畿地方で〕 酒のつまみ。
二 ( 接尾 )
①数量を表す名詞に付いて,…あたり,…について,の意を表
す。 「ひとり-三つずつ」
②人・団体や場所などを表す名詞に付いて,送り先・届け先など
を表す。 《宛》 「返事は私-にください」 「会社-」
――――
一見、[宛て]と書くのが正しいような気になってしまいますが、
接尾語で送り先などを表すのは≪宛≫とあります。
この解説では、[当て]と[宛]を同じように扱うと、誤解されるの
ではありませんか。
広辞苑や旺文社の国語辞典、新聞社の表記は[宛]です。(発行
年で違うかもしれません)
◎45ページ 13行目◎
誤「…事件の指揮を取っている…」
正「…事件の指揮を執っている…」
「執り行う・扱う」ということで「式を執り行う」「指揮を
執る」「事務を執る」「筆を執る」。
◎47ページ 2行目◎
誤「…デスクの下に隠れるように…慌てて立ち上がろうとして
デスクの天井にガツンと頭をぶつけると…」
正「…デスクの下に隠れるように…慌てて立ち上がろうとして
デスクの裏板(引き出しの底)にガツンと頭をぶつけると…」
難しい表現です。事務用デスクに[天板]はあっても[天井]は
ないと思います。[天板]の裏面[裏板?]か、はたまた[引き出
し」付きなら、[引き出しの底]か。
◎48ページ 17行目◎
誤「…単独で追っていてかっこいい! って。」
正「…単独で追っていてかっこいい!って。」
細かいのですが、エクスクラメーション・マーク、感嘆符[!]
の使い方です。(クエスチョン・マーク=?も同じ)
読点[ 、]のように使うときは1字分の空白を入れず(読点に
置き換えられる)、句点[ 。]の意味で使うときは1字あける
のが一般的かと。(新聞記事の書き方の基本から)
文末(句点の使い方と同じ)が[?][!]の符号で終わるときは
句点を付けず、その後一字あける。単語に係る[?][!]の後は
一字あけない。
「こんな名案?にはお目にかかったことがない。」
「なぜ?と疑問に思う。」
49ページ6行目の使い方「それ、その名ゼリフ! 一度言われて
みたかったんす! はい」はOK。
◎57ページ 12行目◎
誤「…窓から突入するという作戦を取るようだった。」
正「…窓から突入するという作戦を採るようだった。」
「その説を採る」と同じように[採用]という意味で[採る」が
いいかもしれません。
◎69ページ 14行目ほか◎
誤「運転免許証や保険証の類いも、何も持っていなかった。」
正「運転免許証や保険証の類も、何も持っていなかった。」
[類い]も、このシリーズでずっと使っています。
音読みの[ルイ]、訓読みの[たぐい]とも[類」とする辞典やワー
プロソフトが多いのですが(新聞記事も)、小学館のデジタル版
『大辞泉』や三省堂の『大辞林』では[たぐい 類い/▽比い]と
なっていました。
こうなると、間違いとは言えません。好みの問題かも。
◎87ページ 2行目◎
誤「本当に。たしか主人公のエリカがぶら下げている…」
正「本当に。確か主人公のエリカがぶら下げている…」
間違いではないのですが、93ページには【私は「確かに」と
うなずいてみせた。】という文章があります。
形容動詞[たしかに(確信のある表現)]と副詞[たしか(確信
のあまりない表現)]を、平仮名書きと漢字書きで区別している
のでしょうか?
辞典には、どちらも漢字書きで示されています(たぶん)。
統一したほうがいいかな?
◎89ページ 14行目◎
誤「…デスクの上には様々な医療書が山積みになっていて…」
正「…デスクの上には様々な医学書が山積みになっていて…」
[医療書]は一般的な言葉ではないと思います。[歯科医療書籍]
などの言葉はネット検索で出てきましたが、[医療書]は?
[医学書]では、難しい内容が書いてあるような感じですので、
「さまざまな医療関係の書籍」などの表現がいいのかも。
◎101ページ 14行目ほか◎
誤「よくご存知で!」
正「よくご存じで!」
[ごぞんじ]をワープロソフトで変換すると[ご存知]が最初に
示されるからでしょうか、「ご存知の…」「ご存知ですか」
などの表現を多く目にします。
[存知](ぞんち=知っていること、承知していること)ではなく
[存じ](ぞんじ=知っていること、承知)の尊敬語で、[ご]を
付けています。
「知っている」「覚える」「考える」「思う」の謙譲語で[存ず
る]。
82ページでは「ご存じかしら?」と正しく使っています。
◎104ページ 14行目◎
誤「…嫁さんをすすきののソープに売り飛ばされてから…」
正「…嫁さんをススキノのソープに売り飛ばされてから…」
間違いではありませんが…
①ススキノ:歓楽街として使う場合。「札幌・ススキノ」
②薄野:地域の総称。交番は[薄野交番]
③すすきの:地下鉄の駅名
◎107ページ 2行目◎
誤「…卑猥な言葉がスプレー缶のペンキで落書きされていた。」
正「…卑猥な言葉がペンキスプレー(缶)で落書きされていた。」
「…卑猥な言葉がスプレー塗料で落書きされていた。」
「ペンキスプレー」「ペイントスプレー」「スプレー塗料」が
一般的かと。
圧縮した空気や高圧ガスを用いて液体を霧、泡などの状態で噴霧
する装置=スプレーで書いた[落書き]ということが主体。
ラッカースプレー、アクリルスプレー、ウレタン塗装などがあり
ますので「ペンキ」に限定しないほうがいいと思います。
◎114ページ 13行目◎
誤「…かっこうのいじめのターゲットになってしまったんです」
正「…格好のいじめのターゲットになってしまったんです」
間違いではありませんが、48ページに「かっこいい!」、50ペー
ジに「…リクルーターの格好などが…」、115ページに「かっこ
つけて」とあります。
省略形の「かっこ(う)」を平仮名にするのはいいとして、
名詞、形容動詞の[かっこう]は漢字[格好]で統一したほうが
いいでしょう。
◎128ページ 10行目◎
誤「官舎は環状八号線沿いから一本道路を入った…」
正「官舎は環状八号から一本道路を入った…」
◎141ページ 1行目◎
誤「…根拠についてお話したいと思います」
正「…根拠についてお話ししたいと思います」
紛らわしい表現です。「お話(を)したい」は、話される内容
を示し、名詞として使う形。「(お)話をする」「(お)話に
ならない」。
「話し」は行為を示す動詞の[話す]の形。「お話しになる」
(=尊敬表現)「お話しする」(=謙譲表現)「話し合い」
「話し込む」。
この行は、「話すという行為」をしたい、動詞として使う
謙譲表現ですので「お話ししたい」になるはず。
◎153ページ 7行目◎
誤「(アクセサリーや小物を示す)手作りの工程の写真がついて
いたり、制作者がどう工夫して作ったかなど…」
正「(アクセサリーや小物を示す)手作りの工程の写真がついて
いたり、製作者がどう工夫して作ったかなど…」
これも微妙ですが、主として芸術的・ソフト的なものに使う
[絵画や美術作品、映画など芸術作品の制作]ではなく、主とし
て具体的・実用的な物品をつくる意で[機械の製作][机の製作]
に近いと思います。
◎191ページ 10行目◎
誤「…『エリカ』を鑑賞していたようで…」
正「…『エリカ』を観賞していたようで…」
これまた微妙な使い方。DVDのドラマ『エリカ』ですので、
芸術作品などを味わい理解する「絵画の鑑賞」や「能楽鑑賞」
「レコード鑑賞」ではなく、見て楽しむ「映画観賞(鑑賞と
も)」「花の観賞」に近いでしょう。
◎199ページ 4行目◎
誤「私はダッシュボードからサイレンを出して電源を入れると、
屋根の上に載せた。」
正「私はダッシュボードから回転灯(パトライト)を出して電源
を入れると、屋根の上に載せた。」
シリーズ第三弾の前作では
「…乗用車の上にサイレンをのせた。赤いランプが点滅し…」
「車のルーフにサイレンを乗せて」という表現があり、[サイ
レン]と[乗せる]を指摘しました。
第四弾では[乗せる]→[載せる]となりましたが、[サイレン]は
そのままです。
覆面パトカーの装備でいえば、[回転灯]を点け[サイレン]を
鳴らすということになると思います。
固定ではなく移動式の[回転灯]を車のルーフ(屋根)にマグ
ネットなどで設置します。サイレンのアンプは車内にあるはず。
一般的に[パトカーランプ][パトランプ][流線型回転灯]。
◎225ページ 1行目◎
誤「お手柄あげたんですってね。お疲れ様」
正「お手柄立てたんですってね。お疲れ様」
[手柄]は「立てる」ものでしょう。[あげる]と書くなら[上げ
る」ではなく[挙げる]。
◎233ページ 9行目◎
誤「…発表のタイミングを図っているだけ」
正「…発表のタイミングを計っているだけ」
「便宜を図る」のではなく、計算・計画する意味で「タイミング
を計る」。
◎250ページ 7行目◎
誤「なかからはキューブ型のアタッシュケースが出てきた。」
正「なかからはキューブ型のケースが出てきた。」
「厚さ5センチメートルほどで、書類を入れる箱型のビジネス
マン用手提げカバン」がアタッシュケースとの説明がありま
した。薄型のカバンという印象があります。
キューブ=立方形なら、単に[ケース]がふさわしいと思います。
著者:吉川 英梨(よしかわ えり)
発行:2013年1月24日 第1刷(宝島社文庫)
<誤植というより校正ミス? 意図的なミス?>
※テレビドラマ化された人気の「ハラマキ」シリーズ第四弾
◎7ページ 4行目◎
誤「…私の心臓が勝手に鼓動を早くした。」
正「…私の心臓が勝手に鼓動を速くした。」
「いち早く」「出発を早める」といった時間関係の[早い]では
なく、「決断が速い」「呼吸が速い」「テンポが速い」と同じ
速度関係の[速い]ですね。
◎7ページ 10行目◎
誤「締め切ったブラインドの向こう側には…」
正「閉め切ったブラインドの向こう側には…」
「しめつける」「しめくくる」の意味の[締]は、「原稿を締め
切る」「締め切り日「戸締りをする」など。
[開]の対語の[閉]は、「窓を閉める」「店を閉める」「カーテン
を閉め切る」。
◎14ページ 14行目◎
誤「回線スタートは今日の午前十二時。」
正「回線スタートは今日の正午。」
昼間の話です。夜中のことだとしても…。
昼の十二時ちょうどは「正午」、夜の十二時ちょうどは「午前
零時」とする。「正午」は「午後零時」とはしない。期限を表す
場合は、例外として「午後六時から午後十二時まで」のように
「十二時」を使ってよい。――新聞社の日時の書き方から
48ページには「…研修のあった日の正午に連絡があって…」の
文章があります。また、203ページには「深夜零時前後」と。
◎43ページ 9行目◎
誤「まず、あなた宛てに…指示が書かれた文書が届いたとか。」
正「まず、あなた宛に…指示が書かれた文書が届いたとか。」
このシリーズを通して、宛名・名宛の使い方で「あなた宛てに」
と[て]を送る表記です。動詞のように「~に宛てて手紙を書く」
のではなく、宛名や住所を示す宛先の[宛」(接尾語)なのです
が。
こうも続くと、[宛て]が正しいのかなと思ってしまい、ネットで
調べてみました。
まぎらわしい解説がありました。三省堂『大辞林』の次のような
解説です。
――――
あて【当て・宛て】
一 ( 名 )
①めあて。目的。 「 -もなくさまよう」
②みこみ。めあて。 「解決の-がある」 「金策の-がつく」
「捜索の-がない」
③たより。期待。 「親の財産を-にする」 「 -がはずれる」
「 -にならない男」
④他の語と複合して用いられる。
㋐体・衣類などを保護し補強するため,あてるもの。 「肩-」
「ひじ-」
㋑うちつけること。 「 -身」 「鞘(さや)-」
⑤〔近畿地方で〕 酒のつまみ。
二 ( 接尾 )
①数量を表す名詞に付いて,…あたり,…について,の意を表
す。 「ひとり-三つずつ」
②人・団体や場所などを表す名詞に付いて,送り先・届け先など
を表す。 《宛》 「返事は私-にください」 「会社-」
――――
一見、[宛て]と書くのが正しいような気になってしまいますが、
接尾語で送り先などを表すのは≪宛≫とあります。
この解説では、[当て]と[宛]を同じように扱うと、誤解されるの
ではありませんか。
広辞苑や旺文社の国語辞典、新聞社の表記は[宛]です。(発行
年で違うかもしれません)
◎45ページ 13行目◎
誤「…事件の指揮を取っている…」
正「…事件の指揮を執っている…」
「執り行う・扱う」ということで「式を執り行う」「指揮を
執る」「事務を執る」「筆を執る」。
◎47ページ 2行目◎
誤「…デスクの下に隠れるように…慌てて立ち上がろうとして
デスクの天井にガツンと頭をぶつけると…」
正「…デスクの下に隠れるように…慌てて立ち上がろうとして
デスクの裏板(引き出しの底)にガツンと頭をぶつけると…」
難しい表現です。事務用デスクに[天板]はあっても[天井]は
ないと思います。[天板]の裏面[裏板?]か、はたまた[引き出
し」付きなら、[引き出しの底]か。
◎48ページ 17行目◎
誤「…単独で追っていてかっこいい! って。」
正「…単独で追っていてかっこいい!って。」
細かいのですが、エクスクラメーション・マーク、感嘆符[!]
の使い方です。(クエスチョン・マーク=?も同じ)
読点[ 、]のように使うときは1字分の空白を入れず(読点に
置き換えられる)、句点[ 。]の意味で使うときは1字あける
のが一般的かと。(新聞記事の書き方の基本から)
文末(句点の使い方と同じ)が[?][!]の符号で終わるときは
句点を付けず、その後一字あける。単語に係る[?][!]の後は
一字あけない。
「こんな名案?にはお目にかかったことがない。」
「なぜ?と疑問に思う。」
49ページ6行目の使い方「それ、その名ゼリフ! 一度言われて
みたかったんす! はい」はOK。
◎57ページ 12行目◎
誤「…窓から突入するという作戦を取るようだった。」
正「…窓から突入するという作戦を採るようだった。」
「その説を採る」と同じように[採用]という意味で[採る」が
いいかもしれません。
◎69ページ 14行目ほか◎
誤「運転免許証や保険証の類いも、何も持っていなかった。」
正「運転免許証や保険証の類も、何も持っていなかった。」
[類い]も、このシリーズでずっと使っています。
音読みの[ルイ]、訓読みの[たぐい]とも[類」とする辞典やワー
プロソフトが多いのですが(新聞記事も)、小学館のデジタル版
『大辞泉』や三省堂の『大辞林』では[たぐい 類い/▽比い]と
なっていました。
こうなると、間違いとは言えません。好みの問題かも。
◎87ページ 2行目◎
誤「本当に。たしか主人公のエリカがぶら下げている…」
正「本当に。確か主人公のエリカがぶら下げている…」
間違いではないのですが、93ページには【私は「確かに」と
うなずいてみせた。】という文章があります。
形容動詞[たしかに(確信のある表現)]と副詞[たしか(確信
のあまりない表現)]を、平仮名書きと漢字書きで区別している
のでしょうか?
辞典には、どちらも漢字書きで示されています(たぶん)。
統一したほうがいいかな?
◎89ページ 14行目◎
誤「…デスクの上には様々な医療書が山積みになっていて…」
正「…デスクの上には様々な医学書が山積みになっていて…」
[医療書]は一般的な言葉ではないと思います。[歯科医療書籍]
などの言葉はネット検索で出てきましたが、[医療書]は?
[医学書]では、難しい内容が書いてあるような感じですので、
「さまざまな医療関係の書籍」などの表現がいいのかも。
◎101ページ 14行目ほか◎
誤「よくご存知で!」
正「よくご存じで!」
[ごぞんじ]をワープロソフトで変換すると[ご存知]が最初に
示されるからでしょうか、「ご存知の…」「ご存知ですか」
などの表現を多く目にします。
[存知](ぞんち=知っていること、承知していること)ではなく
[存じ](ぞんじ=知っていること、承知)の尊敬語で、[ご]を
付けています。
「知っている」「覚える」「考える」「思う」の謙譲語で[存ず
る]。
82ページでは「ご存じかしら?」と正しく使っています。
◎104ページ 14行目◎
誤「…嫁さんをすすきののソープに売り飛ばされてから…」
正「…嫁さんをススキノのソープに売り飛ばされてから…」
間違いではありませんが…
①ススキノ:歓楽街として使う場合。「札幌・ススキノ」
②薄野:地域の総称。交番は[薄野交番]
③すすきの:地下鉄の駅名
◎107ページ 2行目◎
誤「…卑猥な言葉がスプレー缶のペンキで落書きされていた。」
正「…卑猥な言葉がペンキスプレー(缶)で落書きされていた。」
「…卑猥な言葉がスプレー塗料で落書きされていた。」
「ペンキスプレー」「ペイントスプレー」「スプレー塗料」が
一般的かと。
圧縮した空気や高圧ガスを用いて液体を霧、泡などの状態で噴霧
する装置=スプレーで書いた[落書き]ということが主体。
ラッカースプレー、アクリルスプレー、ウレタン塗装などがあり
ますので「ペンキ」に限定しないほうがいいと思います。
◎114ページ 13行目◎
誤「…かっこうのいじめのターゲットになってしまったんです」
正「…格好のいじめのターゲットになってしまったんです」
間違いではありませんが、48ページに「かっこいい!」、50ペー
ジに「…リクルーターの格好などが…」、115ページに「かっこ
つけて」とあります。
省略形の「かっこ(う)」を平仮名にするのはいいとして、
名詞、形容動詞の[かっこう]は漢字[格好]で統一したほうが
いいでしょう。
◎128ページ 10行目◎
誤「官舎は環状八号線沿いから一本道路を入った…」
正「官舎は環状八号から一本道路を入った…」
◎141ページ 1行目◎
誤「…根拠についてお話したいと思います」
正「…根拠についてお話ししたいと思います」
紛らわしい表現です。「お話(を)したい」は、話される内容
を示し、名詞として使う形。「(お)話をする」「(お)話に
ならない」。
「話し」は行為を示す動詞の[話す]の形。「お話しになる」
(=尊敬表現)「お話しする」(=謙譲表現)「話し合い」
「話し込む」。
この行は、「話すという行為」をしたい、動詞として使う
謙譲表現ですので「お話ししたい」になるはず。
◎153ページ 7行目◎
誤「(アクセサリーや小物を示す)手作りの工程の写真がついて
いたり、制作者がどう工夫して作ったかなど…」
正「(アクセサリーや小物を示す)手作りの工程の写真がついて
いたり、製作者がどう工夫して作ったかなど…」
これも微妙ですが、主として芸術的・ソフト的なものに使う
[絵画や美術作品、映画など芸術作品の制作]ではなく、主とし
て具体的・実用的な物品をつくる意で[機械の製作][机の製作]
に近いと思います。
◎191ページ 10行目◎
誤「…『エリカ』を鑑賞していたようで…」
正「…『エリカ』を観賞していたようで…」
これまた微妙な使い方。DVDのドラマ『エリカ』ですので、
芸術作品などを味わい理解する「絵画の鑑賞」や「能楽鑑賞」
「レコード鑑賞」ではなく、見て楽しむ「映画観賞(鑑賞と
も)」「花の観賞」に近いでしょう。
◎199ページ 4行目◎
誤「私はダッシュボードからサイレンを出して電源を入れると、
屋根の上に載せた。」
正「私はダッシュボードから回転灯(パトライト)を出して電源
を入れると、屋根の上に載せた。」
シリーズ第三弾の前作では
「…乗用車の上にサイレンをのせた。赤いランプが点滅し…」
「車のルーフにサイレンを乗せて」という表現があり、[サイ
レン]と[乗せる]を指摘しました。
第四弾では[乗せる]→[載せる]となりましたが、[サイレン]は
そのままです。
覆面パトカーの装備でいえば、[回転灯]を点け[サイレン]を
鳴らすということになると思います。
固定ではなく移動式の[回転灯]を車のルーフ(屋根)にマグ
ネットなどで設置します。サイレンのアンプは車内にあるはず。
一般的に[パトカーランプ][パトランプ][流線型回転灯]。
◎225ページ 1行目◎
誤「お手柄あげたんですってね。お疲れ様」
正「お手柄立てたんですってね。お疲れ様」
[手柄]は「立てる」ものでしょう。[あげる]と書くなら[上げ
る」ではなく[挙げる]。
◎233ページ 9行目◎
誤「…発表のタイミングを図っているだけ」
正「…発表のタイミングを計っているだけ」
「便宜を図る」のではなく、計算・計画する意味で「タイミング
を計る」。
◎250ページ 7行目◎
誤「なかからはキューブ型のアタッシュケースが出てきた。」
正「なかからはキューブ型のケースが出てきた。」
「厚さ5センチメートルほどで、書類を入れる箱型のビジネス
マン用手提げカバン」がアタッシュケースとの説明がありま
した。薄型のカバンという印象があります。
キューブ=立方形なら、単に[ケース]がふさわしいと思います。
投票数:2
平均点:0.00