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マリア 女性秘匿捜査官・原麻希
誤植報告
ISBN:978-4-7966-9877-1 著者:吉川 英梨(よしかわ えり) 発行:2012年7月19日 第1刷(宝島社文庫) <誤植というより校正ミス? 意図的なミス?> ※テレビドラマ化もされた人気の「ハラマキ」シリーズ第三弾 前作で指摘した「主婦」は、本作では「主夫」(10ページ) と書き換えられています。 ◎7ページ 8行目◎ 誤「…遅れてきた私を丁重にもて成した。」 正「…遅れてきた私を丁重にもてなした。」 誤りではありませんが、違和感があり、読みにくいと思います。 「持て成す」か「もてなす」がよろしいかと。 ◎14ページ 9行目◎ 誤「…壇上を降りた」 正「…壇を降りた」「降壇した」 これも微妙な表現。[壇上]は、演説や講演などをする壇の上の ことですから、単に「壇から降りた」、あるいは、文の流れを 変えますが「降壇した」がよろしいのではないでしょうか。 ◎20ページ 1行目◎ 誤「…通り掛ったギャルソンを捕まえて…」 正「…通り掛ったギャルソンをつかまえて…」 またまた微妙。「取り押さえたり、とらえる」のではなく 「ひきとめる」「呼び止める」という意味で、「タクシーを つかまえる」と同じように平仮名表記が適切かと。 刑事の話ですが、犯人でもないサービススタッフを「捕まえ」 ないですよね。 ◎54ページ 16行目◎ 誤「…聖堂の正面の扉は解放されていた。…」 正「…聖堂の正面の扉は開放されていた。…」 「束縛・圧迫を解いて自由にする」(解放)のではなく「開け放 つ」という意味で「開放」。 ◎56ページ 5行目◎ 誤「『文化祭実行委員』という腕章を付けた…」 正「『文化祭実行委員』という腕章を着けた…」 「身にまとう・帯びる」の意味で「衣装・装身具を身に着ける」 「バッジ・腕章を着ける」。 ◎61ページ 7行目◎ 誤「…(腕のこと)それはぴんと伸ばされたまま下に下ろされ…」 正「…それはぴんと伸ばされたまま下ろされ…」 「上に下ろす」ことはないので…。 ◎64ページ 15行目◎ 誤「お医者さんですか? 応急手当は何をすれば…」 正「お医者さんですか? 応急手当ては何をすれば…」 [金銭]なら「年末手当」「児童手当」など[て]を送らず。 一般用語で治療や対策などを示すのは「資金の手当て」「傷の 手当て」「応急手当て」。 「両手の火傷を手当てして…」と313ページでは正しく使って います。 ◎66ページ 11行目◎ 誤「教頭は老眼鏡を下ろし、上を見上げたが、よく見えない…」 正「教頭は老眼鏡を下ろし、見上げたが、よく見えない…」 「見下げた奴」の対語「見上げた人」ではなく、下から上のほう を仰ぎ見るという意味の[見上げる]ですので。 [上]が重なる重複表現になると思います。 ◎83ページ 12行目◎ 誤「…ここまで近いと、首を上に曲げて見上げないと天辺の…」 正「…ここまで近いと、首を曲げて見上げないと天辺の…」 「上に曲げて見上げる」も重複表現になると思います。 「…ここまで近いと、首を上に曲げて見ないと天辺の…」でも よさそうです。が、東京タワーの頂を地上から見るのですから 当然見上げることになりますので、「見上げないと」を残した 表現がよろしいかと。 ◎91ページ 3行目◎ 誤「背が高くて強面の顔をした少女だ。」 正「背が高くて強面の少女だ。」「背が高くていかつい顔の少女 だ。」 これも、重複表現に当たると思います。 態度ではなく「顔が怖い様子」の意味で[強面]を用いています ので[顔]は不要でしょう。 ◎91ページ 5行目◎ 誤「(くす玉は)…三カ月近く前から作成していた力作…」 正「(くす玉は)…三カ月近く前から作製していた力作…」 文章や計画をつくる[作成]ではなく、物品や図面をつくる [作製]になります。または[製作]。 ◎109ページ 2行目◎ 誤「北海道に新海天町というのを作って…」 正「北海道に新海天町というのをつくって…」 「造成」という意味では「町を造って」になるのでしょうが、 抽象名詞を対象にした表現「人脈をつくる」「組合をつくる」 「歴史をつくる」「街・町づくり」などと同じ平仮名が適切。 ◎114ページ 11行目ほか◎ 誤「ちょうばが立つのね、やっぱり」 正「帳場が立つのね、やっぱり」 小学生の会話文。他のページでは警察用語?として[帳場]の 漢字を使っています。 小学生なので平仮名[ちょうば]にしたのかな、と思いましたが [邪魔者][捜査]など難しい漢字が出てきますので、この言葉だけ 平仮名なのは違和感があります。 ◎116ページ 15行目◎ 誤「…朝の九時に第一回目の捜査会議が開かれるから…」 正「…朝の九時に第一回捜査会議が開かれるから…」「…九時に 一回目の捜査会議が開かれるから…」 [第]は順序を表すために数字に付ける[接頭語]、[目]は順序を 表す[接尾語]ですので、[一回]に同時に付くことはありません。 ◎130ページ 17行目◎ 誤「…そんな情報、学校から上がってなかったよね」 正「…そんな情報、学校から挙がってなかったよね」 示される[列挙]の意味で「挙がる」かな?と思いますが、微妙。 ◎158ページ 9行目◎ 誤「次に織江が手を上げ、…したことを話した。…」 正「次に織江が手を挙げ、…したことを話した。…」 挙手して発言したのですから。 ◎161ページ 17行目ほか◎ 誤「…ギャッチアップされたベッドから起き上がろうとした。」 正「…ヘッドアップされたベッドから起き上がろうとした。」 医療・介護の分野で[ギャッチアップ][ギャッジアップ]という 言葉が使われ、「ギャッジアップ」という表現は、テキスト等 にも記載されているそうですが、間違いという話です。 アメリカの整形外科医・ギャッジ先生(Dr.Willis D.Gatch)が 考案した「角度を変えられるベッド」のことを「ギャッジ・ベッ ド」と言い、それを操作する際に「ギャッジアップ」などと表現 している原因は、多分、誰かが「ジャッキアップ」と勘違いして 言い出し、それとベッドの名前がゴッチャになって我が国で広 まってしまったせいだと思います。 (さすがにいつまでも間違えているわけにもいかないので、最近 の看護関係の書籍では「ヘッドアップ」になっています。) との説明がありました。 ◎175ページ 11行目ほか◎ 誤「…貴重品やパスポートの類いがなくなっていて…」 正「…貴重品やパスポートの類がなくなっていて…」 どういった理由で[い]を送るのでしょうか? ◎193ページ 7行目◎ 誤「(カリフォルニア州立オーシャンサイド大学という校名を 指して)聞くからに解放的な名前ね」 正「聞くからに開放的な名前ね」 [閉塞]の対語の[開放]、「開放的な性格」の[開放]ですね。 ◎213ページ 12行目◎ 誤「(修道女の石塚は)シスターの格好(修道衣)はしていない が…白いワイシャツに…紺色のロングスカートをはいてい る。」 正「シスターの格好はしていないが…白いブラウスに…紺色のロン グスカートをはいている。」 [ワイシャツ]は、[white shirt(ホワイトシャツ)]に由来する 短縮言葉で、元々は「白いもの」であり「主に男性の背広の下に 着用する、前開きでボタンと襟とカフスがついている白や淡色の シャツ」。 女性が着用しているので[ブラウス]と考えます。 ◎218ページ 3行目ほか◎ 誤「口論の内容はご存知ですか?」 正「口論の内容はご存じですか?」 [ごぞんじ]をワープロソフトで変換すると[ご存知]が最初に 示されるからでしょうか、「ご存知の…」「ご存知ですか」 などの表現を多く目にします。 [存知]ではなく[存じ]の尊敬語で、[ご]を付けています。 「知っている」「覚える」の謙譲語で[存ずる]。 ◎231ページ 11行目◎ 誤「じゃあ私なんて産まれてこなきゃよかったね」 正「じゃあ私なんて生まれてこなきゃよかったね」 微妙ですが、直接的な[出産]関係ではないので、一般用語の 「赤ちゃんが生まれる」「生まれ変わる」「生まれつき(月)」 などと同じ使い方でいいと思います。 ◎233ページ 10行目◎ 誤「…受付を済ませ、接見室に入る。…」 正「…受(け)付けを済ませ、接見室に入る。…」 [受付窓口]のように場所や係を示すのではなく、「受け付け 開始」「受け付け業務」と同じく一般的な用法なので。 ◎242ページ 6行目◎ 誤「…大人たちに混ざって…」 正「…大人たちに交ざって…」 とけ合う[混]ではなく、とけ合わないまじり方の[交]を用いて。 ◎246ページ 4行目◎ 誤「勤務先の東京都庁を午後八時に退社…」 正「勤務先の東京都庁を午後八時に退庁…」 微妙ですが…。会社ではなく役所ですので。 勤務を終えて役所から退出する=[退庁] ◎266ページ 13行目◎ 誤「…国道二五四号線の…」 正「…国道二五四号の…」 国道・県道などは路線番号で表記。「国道○○号」 ◎268ページ 14行目◎ 誤「…乗用車の上にサイレンをのせた。赤いランプが点滅し…」 正「…乗用車の上に回転灯を載せた。赤いランプが点滅し…」 266ページに「車のルーフにサイレンを乗せて」という文章が あります。漢字の「乗せた」。 パトカーの装備でいえば、[回転灯]を点け[サイレン]を鳴らす ということになると思います。 固定ではなく移動式の[回転灯]を車のルーフ(屋根)にマグ ネットなどで設置するのですから、漢字表記なら一般用語の [乗せる]ではなく[掲載・積載]の意味で[載せる]を使い、統一 したほうがいいでしょう。 サイレンのアンプは車内にあるはず。 ◎319ページ 6行目◎ 誤「…無関係と判断されて処分候補に上がっていたのですが…」 正「…無関係と判断されて処分候補に挙がっていたのですが…」 「示される」ということで[挙がる]。 ◎335ページ 4行目◎ 誤「あなたと、それから翼さん宛てに」 正「あなたと、それから翼さん宛に」 「○○さんに宛てて手紙を書く」のではなく、手紙の送り先の 名[名宛][宛名]ですので[宛]。 ※ストーリー展開・テンポが速く面白いのですが、「上を 見上げる」など重複表現が気になりました。
報告者:nande3