ラスト・コード
誤植報告
ISBN:978-4-12-004403-8 著者:堂場 瞬一(どうば しゅんいち) 発行:2012年8月30日 再版発行 <誤植というより校正ミス? 意図?> ◎18ページ 1行目◎ 誤「いえ、確か、今年の始めに引っ越してきたんです」 正「いえ、確か、今年の初めに引っ越してきたんです」 [始め]は、物事に関連する名詞に付いて物事の始まる意を表す そうです。起源や開始を意味する事始め、仕事始め、人類の始め など「事柄に関すること」に。 [初め]は、主に時間に関する名詞に付いて、[最初]を意味する そうです。「時に関する場合」に使われ、秋の初め、月初め、年 の初めなど。 [始め]は「終わり」の対で、[初め]は「後」の対。 ◎43ページ 4行目◎ 誤「…明朝、捜査会議は午前八時召集。」 正「…明朝、捜査会議は午前八時招集。」 作者の意図したものでなければ、一般的な[招集]を使う箇所で しょう。 [招集]は、一般用語で、地方議会・自衛隊・外国議会・外国 軍隊や株主総会などの招集。構成員に集合を求める手続き。 [召集]は、限定用語で、旧日本軍の召集令状と国会の召集のみ。 ◎48ページ 19行目◎ 誤「真相を追及するより、自分たちの立場をよくする…」 正「真相を追究するより、自分たちの立場をよくする…」 微妙な判断になると思います。[追及]は「人・責任を追い詰め る」場合、[追求]は「得ようと追い求める」場合、[追究」は 「明らかにしようとする」場合。 [真相]=事件などの本当の姿・事情。「真相を究明する」が代表 的な使い方のようです。 [真理]に近い意味、と勝手に判断すると、学問を追究、原因を追 究、真理を追究と同じ[追究]になるかと…。 ◎73ページ 14行目◎ 誤「だけど、そうやって、上に上り詰めた時にどうなる?」 正「だけど、そうやって、上り詰めた時にどうなる?」 「上に上り詰める」は重複表現に当たるのでは? 「上り詰める・登り詰める」=のぼれるだけのぼる。登っていっ ていちばん上まで達する。「長い坂を―・める」「出世の階段を ―・める」 ◎74ページ 15行目◎ 誤「八割……九割だな」「だったら、十割まで押し進めよう。…」 正「八割……九割だな」「だったら、十割まで推し進めよう。…」 [押す]は[引]の対語で、力を加える意になり、「車を押し(て) 進める」。 [推進]する、という意味で使っているので。 ◎80ページ 19行目◎ 誤「…こちらの捜査本部からは引き上げる。なお…」 正「…こちらの捜査本部からは引き揚げる。なお…」 「引っ張り上げる」という意味ではなく、「元のところに戻す・ 戻る」ということなので、[引き揚げる]。軍隊を引き揚げる、ベ ンチに引き揚げるなどと同じ。 ◎88ページ 8行目◎ 誤「映画を見る気になれず…」 正「映画を観る気になれず…」 一般用語として[見る]でもいいのですが、2行後に「映画なんか 生まれてから五本ぐらいしか観ていないはずだし…」という文章 があります。統一したほうがいいでしょう。 テレビ(物体そのもの)を見るなら[見る=see]、テレビ番組を視 聴するなら[視る]か[観る=watch]ともいわれます。 芝居や映画は[見る]<[観る](常用外?)がよろしいようで。 ◎195ページ 4行目◎ 誤「(スクラップブックに)論文のコピーなどが張ってあった。」 正「(スクラップブックに)論文のコピーなどが貼ってあった。」 間違いではないのですが、雰囲気では「(糊で)貼る」が好き です。 ◎213ページ 3行目◎ 誤「(降参を表明するため)…両手を頭の高さに挙げた。」 正「(降参を表明するため)…両手を頭の高さに上げた。」 「ホールドアップや殴る」などの一般用語では「手を上げる」に なるといいますので。 ◎321ページ 9行目◎ 誤「…また鼻を愚図愚図言わせる。…涙腺が緩んだのかもしれ ない。」 正「…また鼻をグズグズいわせる。…涙腺が緩んだのかもしれ ない。」 「愚図愚図する・になる」なら「のろまなさま。動作・決断が にぶいさま。不平などぶつぶついうさま。固くしまっているべき ものがゆるんだり、くずれかかっているさま」を意味します。 「愚図愚図言わせる」の「ぐずぐず」は、擬音語というか、擬音 表現に当たるのではないでしょうか。 であるならば、[ぐずぐず]か[グズグズ]がよろしいかと。 鼻(鼻水)は[グズグズ]の状態から、より深刻になると[ズー ズー][ズルズル]になります。 ※ [言う]の実質的な意味が薄れた場合に当たると思いますので 「ミシミシいう」と同じように「グズグズいう・いわせる」に。
報告者:nande3