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献心(けんしん)― 警視庁失踪課・高城賢吾
誤植報告
ISBN:978-4-12-205801-9 著者:堂場 瞬一(どうば しゅんいち) 発行:2013年6月25日 初版発行(中公文庫) 「警視庁失踪課・高城賢吾」シリーズ第十弾、文庫書き下ろし <誤植というより校正ミス? 意図的なミス?> ◎41ページ 14行目◎ 誤「…家人は病気で……心筋梗塞でした」 正「…家内は病気で……心筋梗塞でした」 微妙です。読み方のルビは付いていません。 [家人]を「かじん」と読むと、「自分の家族の中で主人以外の 者。家の者」。辞典の語釈にこうありました。 文章の流れから、[妻][奥さん]を指す言葉であるはずなのです が、「かじん」では妻を含む「家族」の意味になるのでは? [家人]を「けにん」と読むと、御家人(ごけにん)、家来、奉公 人などの意味になります。 [家人]を「いえびと」と読むと、「かじん」と同じ意味なのです が、ある辞書に「家族。特に妻」とあり、用例に「―に恋ひ過ぎ めやもかはづ鳴く泉の里に年の経(へ)ぬれば」〈万・六九六〉が 挙がっているのを見つけました。 万葉の時代ではなく現代の話です。[家人]と書いて「いえびと」 と読ませるには無理があると思います。 自分の[妻]を意味する[家内]が正しいのでしょうか? [内]と[人]、誤植しそうな漢字ではあります。 ◎54ページ 12行目ほか◎ 誤「…会社を引き上げるのは午後七時前後だった。」 正「…会社を引き揚げるのは午後七時前後だった。」 賃金を「引き上げる」のではなく、帰宅するという意味。元の所 に戻す・戻るということで「引き揚げる」。 56ページ、57ページに「既にほとんどのメンバーが引き上げ…」 「じゃあ、俺は引き上げる。」という文章がありますが、こちら も「引き揚げる」でしょう。 ◎136ページ 17行目◎ 誤「抗議した事実が一人歩きして…」 正「抗議した事実が独り歩きして…」 「夜道の一人歩きは危険」など、一般用語の[一人]ではなく、 「独立、勝手に動く」という意味で使っていますので、「赤ちゃ んが独り歩き、言葉の独り歩き、法律の独り歩き」と同じ「独り 歩き」になると思います。 ◎146ページ 11行目◎ 誤「少なくとも成果を上げていない自分の姿を…」 正「少なくとも成果を挙げていない自分の姿を…」 [成果]を(が)「アップする」のではなく、「残す」という意味 で「挙げる」に。 151ページに「人を黙らせる実績を上げていれば…」との文章が ありますが、こちらも「実績を挙げていれば…」に。 ◎148ページ 1行目◎ 誤「整髪剤で艶々と濡れた髪が、蛍光灯の光を受けて…」 正「整髪料で艶々と濡れた髪が、蛍光灯の光を受けて…」 [剤]は、薬を表す語で「睡眠剤」「消毒剤」などと使われます。 または、調合した薬で「錠剤・調剤・薬剤」など。 一般的には「髪型を整えたり固定したりする目的で、頭髪に塗布 するもの」=「整髪料」だと思います。 [剤]を使うとすれば、「ヘアースタイリング剤」か。 ◎255ページ 3行目ほか◎ 誤「県道六〇号経由で国道一〇五号線、通称角館街道に出て…」 正「県道六〇号経由で国道一〇五号、通称角館街道に出て…」 一般には「国道○○○号線」「○○○号線」と呼ばれることも多 いのですが、道路法では一般国道は番号を路線名として使用して おり、正式には「線」を付して呼称されることはありません。 県道も同じ。新聞社の用字用語集では「○号だけで分かりにくい 場合は[国道20号(甲州街道)]のように書く」と規定していま す。 ◎315ページ 14行目◎ 誤「木造校舎で、二階部分に木のベランダをしつらえた造りは…」 正「木造校舎で、二階部分にバルコニーをしつらえた造りは…」 【ベランダ(ポルトガル語: Veranda、verandah)】は、「家屋 の母屋から外接して張り出した部分で、縁や柵で囲まれることが あり庇や軒下に収まるもの、屋根がかかっているものをいう。」 (ウィキペディアから) 「…どこかで見たことがあった――西部劇の映画だ。」「酒場が こんな造りだったのではないか。」との文章が続きます。 【ベランダ】ではなく、【バルコニー】ではないでしょうか。 【バルコニー】は、「一般に建物の外部壁面部分に張り出した手 すりつきのスペースのことである。イタリア語のbalconeに由来 する。」(ウィキペディアから) 「デッキ」や「ポーチ」も含めて一般的に「ベランダ」と言って しまいがちですが、屋根がかかっていなく、手すりがある「バル コニー」のほうが西部劇に出てくる酒場に似合う気がします。
報告者:nande3