検証捜査
誤植報告
ISBN:978-4-08-745089-7 著者:堂場 瞬一(どうば しゅんいち) 発行:2013年7月25日 第1刷(集英社文庫) 文庫書き下ろし <誤植というより校正ミス? 意図的なミス?> ◎82ページ 3行目◎ 誤「俺の様子をうかがうために電話してきたと考えた方がいい。」 正「俺の様子を窺うために電話してきたと考えた方がいい。」 間違いではないのですが、漢字表記に。 53ページに「…窓から外の出来事を窺(うかが)っている人は少 ないのだ。」という文章がありますので、漢字で統一。校正の問 題。 ◎83ページ 11行目◎ 誤「そんなことをしたら、自分で墓穴を掘るようなものだ。」 正「そんなことをしたら、墓穴を掘るようなものだ。」 「墓穴を掘る」とは、「自分の行為が原因で破滅または敗北す る」こと。 この言葉に「自分」を重ねると、「馬から落馬する」のように、 同じ意味の語を重ねた重言(じゅうげん、じゅうごん)、二重表 現、重複表現に当たると思われます。 199ページでは「…それ以上のことを計画してばれたら、墓穴を 掘ることになるのだ。」と正しく使っています。 ◎105ページ 14行目◎ 誤「容疑者の写真を他の写真と混ぜ、被害者に見せる。」 正「容疑者の写真を他の写真と交ぜ、被害者に見せる。」 微妙ですが、新聞用字用語集では[交]=「とけ合わないまじり 方」、アジにサバが交ざる、入り交じる、白髪交じりなど、 [混]=「とけ合うまじり方」、絵の具を混ぜる、ごちゃ混ぜ、に おいが混じり合うなど、と明確に区別しています。 ◎321ページ 13行目◎ 誤「現場検証が終わり、遺体と車も引き上げられた。」 正「現場検証が終わり、遺体と車も引き揚げられた。」 「引っ張り上げる、程度を上げる」の[引き上げる]ではなく、 「元の所に戻す・戻る」の[引き揚げる]でしょう。 353ページの「動き回っている刑事がおるのに、無視して引き上 げられんよ。」も「引き揚げられんよ」に。 ◎322ページ 9行目◎ 誤「ごつごつとした岩は、波の侵食を受けているせいか…」 正「ごつごつとした岩は、波の浸食を受けているせいか…」 人偏の[侵食]は、「他人の領地・領分をしだいにおかし、むしば むこと」。 「水・風などが物や土地をおかしたりくずしたりすること」は、 サンズイの[浸食]。 ◎376ページ 1行目◎ 誤「シャンプーの香りとかすかな汗の匂いが入り混じり…」 正「シャンプーの香りとかすかな汗のにおいが入り交じり…」 微妙な表現です。 まず[匂い]。花の匂い(良いにおい=香り)ではなく汗ですから 嫌なにおいの[臭い]になると思いますが、女性の汗ですので… どちらの漢字も常用外ということで平仮名の[におい]に。 新聞用字用語集では前述のように「とけ合わないまじり方」の例 として「入り交じる」を挙げています。(入り混じる→入り交じ るに統一との注意書きもあり) また、「とけ合うまじり方」の例として「においが混じり合う」 を挙げています。 矛盾? 「シャンプーの香りとかすかな汗のにおいが混じり合 い…」とするのが正解なのでしょうか? ※ 56ページなどに出てくる「友だち」。他の小説でも目にする表 現です。とても気になっていました。 [友]という言葉があり、その類語になる[友達]。[友]に複数を 表す[達(たち)]を付けたものではありません。「子ども達」 の[達]とは違うということです。 新聞用字用語集では、複数を示す[達]は新聞漢字表にない音訓 なので平仮名書き、と規定しています(子供・子どもたち、友 人たち)。 対し、[友達]は、新聞漢字表にない音訓を含んでいるが、熟字 訓などで慣用表記として使う、と説明しています。朝日新聞な ども同じ扱いのようです。 [達]は平仮名書きがいいようだから、[友達]は「友だち」と 書いてしまい、これが一般的になってしまったのでしょうか。 [友達]は一つの言葉、名詞として存在していますので、漢字表 記が正しいのではないでしょうか。
報告者:nande3