犬どもの栄光
誤植報告
ISBN:978-4-08-749619-2 著者:佐々木 譲(ささき じょう) 発行:2010年6月15日 第6刷(集英社文庫) 1987年刊行、1990年文庫化第1刷という古い本です。 2010年6月発行の第6刷を読みました。版を重ねてはいますが、 気になる表記がありましたので報告します。 <誤植というより校正ミス? 意図的なミス?> ◎52ページ 11行目◎ 誤「…犯罪、裁判、暴力団といった仕訳のファイルとなる。」 正「…犯罪、裁判、暴力団といった仕分けのファイルとなる。」 データベースの記事を検索する方法の説明。 まったくの間違いとは言い切れません(区別していない辞典あり) が、新聞用字用語集や文字入力ソフトでは使い分けています。 [仕訳]は「簿記用語で勘定科目に分けること」。「仕訳帳、貸借 の仕訳」などと使います。 [仕分け]は「区分、分類」の意。「商品の仕分け、四つに仕分け る」などと使います。(新聞用字用語集から) ◎284ページ 16行目ほか◎ 誤「…午後か遅くとも翌日ころまでにはほぼ融けてしまう…」 正「…午後か遅くとも翌日(ころ)までにはほぼ解けてしまう…」 これも間違いとは言い切れませんが…。 295ページに「来年、雪解け早々から…」という文章があります。 新聞用字用語集では、[融]は常用外なので[解][溶]を用いること となっており、[溶]は「加熱などによって固体を液体にする」意で 「雪・氷を溶かす」(人工的)と使います。 [解]は「とけてなくなる」の意。「雪解け、雪・氷を解かす」(自然 現象)と使います。 この小説の文章は雪にまつわる自然現象のことですので、統一 して[解]としたほうがよろしいかと。 ◎331ページ 9行目◎ 誤「おれひとりが白旗上げて終わりになることじゃないんだ。」 正「おれひとりが白旗掲(かか)げて終わりになることじゃないんだ。」 一般的には、[白旗]は「掲(かか)げる」ものと考えます。 「あげる」と読み、漢字で表記する場合、[上げる]は「下がる・下 げる」の対語。[揚げる]は「高く掲げる、浮揚」の意で「国旗を揚 げる」と使います(新聞用字用語集)。 あえて「あげる」と読ませて漢字を使うなら「揚げて」の[揚]が当 てはまるでしょう。
報告者:nande3